第12回NHK紅白歌合戦

第12回NHK紅白歌合戦

1961年12月31日、大晦日に行われた第12回NHK紅白歌合戦。このイベントは東京宝塚劇場から生放送され、21時から23時40分までの間、視聴者に特別な瞬間を提供しました。本回は昭和36年の終わりを飾る重要な出来事となりました。

出演者の顔ぶれ

司会者

紅組の司会には中村メイコさんが担当し、彼女は3年連続でこの役割を担いました。メイコさんは「子供が3歳に成長したので、正月の伝統や風習を教えたい」との思いから、今回が最後の司会となることを決意しました。白組の司会には高橋圭三さんが務め、彼はこの年での退職を決意し、翌年からフリーアナウンサーとして活動を始めました。また、総合司会は穂坂俊明さんが担当し、イベント全体を取り仕切りました。

出場歌手

歌手陣は、多くの初出場や返り咲きを含む華やかなメンバーが揃い、観客を楽しませました。しかし、前回出場者の中からは選出されなかった歌手も存在し、紅組からは荒井恵子や有明ユリ、大津美子らが選ばれず、白組では青木光一や笈田敏夫らが落選しました。

審査員のメンバー

審査員には多彩な顔ぶれが名を連ねました。長澤泰治さんが審査委員長を務め、その他にも著名な写真家の土門拳さん、ジャーナリストの高田元三郎さん、そして大相撲横綱の大鵬幸喜さんなど、さまざまな分野から文化人が招かれました。

演奏とゲスト

演奏は東京放送管弦楽団が担当し、指揮は藤山一郎さんと前田磯さんが行いました。また、NHKオール・スターズも指揮者奥田宗宏さんのもとで出演し、盛り上げました。さらに、三木のり平さんや武智豊子さん、渥美清さんなど、その他多くのゲストが当日のステージに華を添えました。

優勝の行方

この年の紅白歌合戦は、白組が7対4のスコアで優勝を果たしました。これにより、通算成績は6勝6敗となり、接戦がまた一つ歴史に刻まれました。

放送とその記録

テレビとラジオでの同時中継が行われましたが、現在存在するのはラジオ中継の録音のみで、テレビ映像は残っていません。その理由として、当時の録画機器が高価であり、保存する余裕がなかったためとされています。

使用されたマイクロホンには、中村メイコ司会者用のAIWA VM-17と、歌手用の真空管マイクC-37Aがあり、技術の進歩を感じさせる道具が揃っていたことも印象的です。

参考文献

この記録に関する情報は、NHKによる書籍『テレビ50年 あの日あの時、そして未来へ』や合田道人の著作『紅白歌合戦の舞台裏』に基づいています。

関連項目

1961年の音楽や、NHK紅白歌合戦公式サイト等も併せてご参照ください。

以上のように、第12回NHK紅白歌合戦は、数々の思い出と共に、多くのファンに愛され続けている伝説的なイベントとなりました。

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