第123師団 (日本軍)

第123師団

第123師団は、大日本帝国陸軍の師団の一つであり、太平洋戦争末期の1945年（昭和20年）1月16日に、満洲の防衛強化を目的として編成されました。当時、多くの師団が南方戦線や本土決戦準備に転用されていたため、満洲の防備が手薄になっていました。この状況を打開するため、第121師団から第128師団までの8個師団が新たに編成されることになり、その一つが第123師団です。

編成

第123師団は、1944年（昭和19年）10月にフィリピンへ転出した第1師団の残留者によって編成された独立混成第73旅団を基幹とし、孫呉で編成されました。1945年（昭和20年）3月30日に編成を完結し、第4軍に編入され、満洲北東部の国境警備を担当することになります。この地域は、ソ連との国境に面しており、重要な防衛拠点でした。

戦闘

1945年8月11日、ソ連軍がアムール川を渡河し、満洲への侵攻を開始しました。ソ連軍第3狙撃師団の侵攻に対し、第123師団は独立混成第135旅団と共に、璦琿（あいぐん）および孫呉の陣地において防衛戦を展開しました。激しい戦闘の中で多くの犠牲者を出しながらも、ソ連軍の侵攻を食い止めました。しかし、その後総攻撃を受ける直前に終戦を迎え、第123師団は解隊されました。

師団概要

第123師団は、短期間の活動でしたが、満洲の防衛において重要な役割を果たしました。以下に、師団の主要な構成と人事を示します。

歴代師団長

• - 北沢貞治郎 中将：1945年（昭和20年）1月20日 - 終戦

参謀長

• - 土田穣 大佐：1945年（昭和20年）1月25日 - 終戦

最終司令部構成

• - 参謀長：土田穣大佐
• - 参謀：村木曠中佐

最終所属部隊

• - 歩兵第268連隊（名古屋）：山中高助大佐
• - 歩兵第269連隊（津）：後藤三平大佐
• - 歩兵第270連隊（岐阜）：太田紀一大佐
• - 野砲兵第123連隊：町田賢助中佐
• - 工兵第123連隊：二階堂謙亮中佐
• - 輜重兵第123連隊：安部武雄少佐
• - 第123師団挺進大隊
• - 第123師団通信隊

まとめ

第123師団は、太平洋戦争末期の混乱の中で編成され、短期間ながらも満洲の防衛に尽力しました。特にソ連軍の侵攻に対して、最後まで持ちこたえたことは、特筆すべき点です。この師団の歴史は、戦争末期の帝国陸軍の苦境と、兵士たちの献身を物語るものです。

参考文献

• - 秦郁彦編『日本陸海軍総合事典』第2版、東京大学出版会、2005年。
• - 外山操・森松俊夫編著『帝国陸軍編制総覧』芙蓉書房出版、1987年。
• - 外山操編『陸海軍将官人事総覧 陸軍篇』芙蓉書房出版、1981年。
• - 『別冊歴史読本 戦記シリーズNo.32 太平洋戦争師団戦史』、新人物往来社、1996年。

関連項目

• - 大日本帝国陸軍師団一覧

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