第12SS装甲師団

第12SS装甲師団「ヒトラーユーゲント」

第12SS装甲師団「ヒトラーユーゲント」（ドイツ語: 12. SS-Panzer-Division "Hitlerjugend"）は、ナチス・ドイツの武装親衛隊に属する師団でした。この部隊はドイツ人青年で構成されており、特に「ヒトラーユーゲント」から選ばれた青年たちにより編成されました。1944年までの戦闘は、多くの若者が16歳以上で構成されていたため、彼らの未熟な経験と厳しい状況が相まって、数々の困難な戦いを強いられました。

創設の背景

第二次世界大戦の中盤、ナチス・ドイツの武装親衛隊は人材の不足に直面していました。新たに編成される師団は、主に外国籍のドイツ系住民や外国人義勇兵から構成されていましたが、1939年からヒムラーSS長官と「ユーゲント」の総裁との間で、ヒトラーユーゲント出身者を武装SSに優先的に配属する合意が結ばれていました。この流れの中で、1943年2月に武装SS師団の創設が検討され、実際の編成に至ることになりました。

1943年6月1日、新たに「ヒトラーユーゲント」の名がつけられた第12SS装甲師団が正式に編成されました。最初の訓練は、実戦向けの内容であり、例のガチョウ足行進は省かれました。若者たちは主にフランスやベルギーで訓練を重ねましたが、その間に連合国は彼らを二線級部隊と見なしていました。

実戦の歴史

若き兵士たちは、1944年におけるノルマンディー上陸作戦において彼らの戦闘能力を証明しました。フリッツ・ヴィットの指揮のもと、師団は早期に連合軍の攻撃を迎え撃ちましたが、指揮官が戦死したため、クルト・マイヤーが指揮を引き継ぎました。彼らの部隊は当初低く評価されていましたが、実際には驚異的な防戦を展開しました。

ノルマンディー地方のカーン市周辺では、カナダ軍やイギリス軍などの連合軍による猛攻に抗し続け、約二ヶ月間にわたり市を死守しました。この戦いでは、多くの連合軍の攻撃を退け、その結果、連合軍の進軍計画に遅延をもたらしました。

後にリュティヒ作戦やファレーズ包囲網での戦闘に参加しましたが、部隊は壊滅状態にまで追い込まれ、第6装甲軍からは「限定的な防御戦闘に適する」と評価されました。1944年12月のバルジの戦いでは、再度戦闘に参加しましたが、司令官の指示に従えず、戦力を維持することができませんでした。第二次大戦の最終局面で、1945年5月には米軍に降伏し、残存兵力はわずか455名になりました。

戦闘の犠牲

第12SS装甲師団は、1944年6月から9月の間に約8,569名の兵士が戦死または負傷し、部隊の戦力は大きく削減されました。特に未成年の兵士が多くを占める中で、彼らはその後本土防空や国民突撃隊に配属されることとなりました。

戦闘序列

• - 第25SS装甲擲弾兵連隊 (SS-Panzergrenadierregiment 25)
• - 第26SS装甲擲弾兵連隊 (SS-Panzergrenadierregiment 26)
• - 第12SS装甲連隊 (SS-Panzerregiment 12)
• - 第12SS装甲砲兵連隊 (SS-Panzerartillerieregiment 12)
• - 第12SSオートバイ連隊 (SS-Kradschützenregiment 12)
• - 第12SS偵察大隊 (SS-Aufklärungsbataillon 12)
• - 第12SS対戦車猟兵大隊 (SS-Panzerjägerbataillon 12)
• - 第12SS発煙大隊 (SS-Werferbataillon 12)
• - 第12SS高射砲大隊 (SS-Flak-Bataillon 12)

続く...

このように、ヒトラーユーゲントは第二次大戦の重要な一端を担った部隊として知られています。

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