第136師団 (日本軍)

第136師団は、大日本帝国陸軍の師団の一つであり、1945年（昭和20年）7月に編成されました。

編成の背景

1945年、太平洋戦争の戦局が悪化する中、関東軍は南方戦線への兵力転用により、戦力が大きく低下していました。しかし、満洲に居住する邦人や在郷軍人を「根こそぎ動員」し、さらに中国戦線から4個歩兵師団を呼び戻すことで、なんとか74万人の兵力を確保しました。また、以前に関東軍特種演習で本土から輸送された戦車200両、航空機200機、火砲1000門も残存していました。

しかし、兵員の半数以上は訓練不足であり、日ソ中立条約の存在からソ連の参戦を想定していなかった関東軍首脳部の混乱も重なり、戦力は事実上30万名程度と見られていました。また、砲弾は約1200発程度しかなく、航空部隊の多くは戦闘未経験者で、小銃が行き渡らない兵士も10万名以上いたとされています。

第136師団の編成と活動

このような状況下で、第136師団は1945年7月に「根こそぎ動員」によって満洲で召集された邦人男子のみで編成されました。同年7月31日に海城で編成が完了しましたが、充足率は約6割にとどまり、火砲も定数の半分程度しかありませんでした。第3方面軍の直属として、本渓で陣地構築を行いました。

1945年8月9日にソ連が対日参戦を開始した際、第136師団は奉天で陣地構築を行っていましたが、実際に戦闘を交えることなく停戦を迎えました。

第136師団と同時に、第134・第135・第137・第138・第139・第148・第149師団も編成されました。

師団概要

歴代師団長

中山惇 中将：1945年（昭和20年）7月16日 - 終戦

参謀長

伊地知季春 大佐：1945年（昭和20年）7月26日 - 終戦

最終司令部構成

参謀長：伊知地季春大佐

最終所属部隊

歩兵第371連隊（満洲）：前田瑞穂大佐
歩兵第372連隊（満洲）：重松光雄中佐
歩兵第373連隊（満洲）：河野桂十郎少佐
野砲兵第136連隊
工兵第136連隊
輜重兵第136連隊
第136師団挺進大隊
第136師団通信隊

参考文献

秦郁彦編『日本陸海軍総合事典』第2版、東京大学出版会、2005年。
外山操・森松俊夫編著『帝国陸軍編制総覧』芙蓉書房出版、1987年。
外山操編『陸海軍将官人事総覧 陸軍篇』芙蓉書房出版、1981年。
『別冊歴史読本 戦記シリーズNo.32 太平洋戦争師団戦史』、新人物往来社、1996年。

関連項目

大日本帝国陸軍師団一覧

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