第139師団 (日本軍)

第139師団

第139師団は、1945年（昭和20年）に大日本帝国陸軍によって編成された師団の一つです。太平洋戦争末期、戦局の悪化に伴い、満洲における防衛体制を強化するために、急遽編成されました。

編成の背景

1945年、関東軍は南方戦線への兵力引き抜きにより、兵力が大幅に減少していました。しかし、満洲居留邦人や在郷軍人を動員し、さらに中国戦線から4個師団を戻すことで、約74万人の兵力を確保しました。また、戦車や航空機、火砲などの装備も一定程度保持していました。しかし、その兵員の多くは訓練不足であり、また、日ソ中立条約を想定していなかった関東軍の首脳部の混乱、物資不足も深刻でした。実質的な戦力は30万程度であったと言われています。

このような状況下で、第139師団は、1945年7月に「根こそぎ動員」によって満洲で召集された邦人男子と、既存の兵站警備隊を基幹として、吉林省で編成されました。同年7月末に編成が完了し、第1方面軍に編入され、敦化にて陣地構築を実施しました。

活動と終戦

1945年8月9日のソ連対日参戦以降、第139師団は敦化でソ連軍の侵攻に備えましたが、実戦を経験することなく終戦を迎えました。同年8月28日までに武装解除され、その短い歴史に幕を閉じました。

師団の概要

第139師団は、1945年7月の「根こそぎ動員」の際に編成された師団の一つであり、同時に第134、第135、第136、第137、第138、第148、第149師団が編成されました。

歴代師団長

富永恭次 予備役中将：1945年（昭和20年）7月16日 - 終戦

参謀長

松岡義一 中佐：1945年（昭和20年）7月16日 - 終戦

最終司令部構成

参謀長：松岡義一中佐

最終所属部隊

歩兵第380連隊（満洲）：大沢侃次郎大佐
歩兵第381連隊（満洲）：片山敬吉大佐
歩兵第382連隊（満洲）：遠藤三郎大佐
野砲兵第139連隊
工兵第139連隊
輜重兵第139連隊
第139師団挺進大隊
第139師団通信隊
第139師団兵器勤務隊
第139師団病馬廠

参考文献

秦郁彦編『日本陸海軍総合事典』第2版、東京大学出版会、2005年。
外山操・森松俊夫編著『帝国陸軍編制総覧』芙蓉書房出版、1987年。
外山操編『陸海軍将官人事総覧 陸軍篇』芙蓉書房出版、1981年。
『別冊歴史読本 戦記シリーズNo.32 太平洋戦争師団戦史』、新人物往来社、1996年。

関連項目

大日本帝国陸軍師団一覧

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