第14回社会人野球日本選手権大会

第14回社会人野球日本選手権大会

1987年10月26日から11月4日までの期間、大阪球場において第14回社会人野球日本選手権大会が盛大に開催されました。この大会は、社会人野球チームが全国の頂点を目指して競い合う歴史あるトーナメントです。

大会の特色

この年の大会には、3チームが初めて全国の舞台に挑みました。その中でも、活動を開始してまだ2年目という若いチームである日産自動車九州が、早くも全国大会出場を果たし注目を集めました。また、長年にわたり都市対抗野球で多くの実績を積み重ねてきた中山製鋼と熊谷組も、意外にもこの大会が初めての出場となりました。特にこの両チームは躍進を遂げ、最終的に決勝戦で相まみえることになります。

前年の都市対抗野球で優勝を果たし、連勝の期待がかかったヤマハは、残念ながら2回戦で敗退するという波乱もありました。

また、この大会は翌年に控えたソウルオリンピックの野球日本代表候補選手が多数出場していた点でも記憶されています。新日本製鐵堺の野茂英雄投手や、松下電器の潮崎哲也投手、そしてプリンスホテルの石井丈裕投手など、後に日本の野球界を牽引することになる選手たちのプレーを見ることができました。

決勝戦

11月4日に行われた決勝戦は、ともに本大会初出場の中山製鋼と熊谷組という顔合わせとなりました。熱戦の結果、中山製鋼が勝利を収め、初の日本一の栄冠に輝きました。中山製鋼の勝利投手は山本泰投手、熊谷組の敗戦投手は谷津田順一投手でした。

主な表彰選手

大会を通じて特に活躍した選手には、以下の各賞が贈られました。

最高殊勲選手賞: 藤野悦勝（中山製鋼、投手）
敢闘賞: 谷津田順一（熊谷組、投手）
打撃賞: 森脇勝二（中山製鋼、内野手）
首位打者賞: 山本真也（中山製鋼、内野手） - 14打数7安打、打率.500を記録。

大会優秀選手

ポジションごとに選出された大会優秀選手は以下の通りです。

投手

藤野悦勝（中山製鋼）
玉寄尚（中山製鋼）
谷津田順一（熊谷組）
伊藤敦規（熊谷組）
石井丈裕（プリンスホテル）
岡本隆之（本田技研）
井戸英裕（日本IBM野洲）
藤高俊彦（新日本製鐵広畑）

捕手

尾野桂司（中山製鋼）
長井研介（本田技研）

内野手

西俊児（本田技研）
森脇勝二（中山製鋼）
清水隆一（熊谷組）
小川博文（プリンスホテル）
飯田孝雄（日本IBM野洲）
山本真也（中山製鋼）
筒井大助（住友金属）
菊田善信（NTT東北）

外野手

佐藤和弘（熊谷組）
横谷彰将（熊谷組）
雨堤浩久（本田技研）
金子誠一（本田技研）
米倉格二（新日本製鐵堺）
小野亨（NTT東北）

大会記録

この大会では、1イニングにおけるチーム最多犠打のタイ記録が生まれました。NTT東北が1回戦の日産自動車九州戦において、1イニングに3つの犠打を記録しています。

第14回大会は、初出場チームの躍進や後の五輪代表選手の活躍など、多くの見どころがあり、社会人野球のレベルの高さを改めて示す大会となりました。

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