第14回衆議院議員総選挙

第14回衆議院議員総選挙の概要

1920年5月10日に実施された第14回衆議院議員総選挙は、日本の政治史において重要な出来事の一つです。この選挙は、帝国議会（衆議院）の議員を選出するために行われましたが、その特徴は有権者の資格が緩和されたことと小選挙区制への移行です。

有権者の資格の変化

この選挙から、有権者の資格が見直されました。従来は直接国税10円以上を納める男子に限られていましたが、今回からは直接国税3円以上を納める男子に緩和されました。その結果、有権者数は大幅に増加し、300万人を超えるに至りました。このような変更は、より広範な層が政治参加できるようにするための試みであり、民主的な選挙の促進を図るものでした。

選挙区制の変更

さらに、この選挙では選挙区制度も変更され、小選挙区制が導入されました。これにより、選挙区の名称が「道府県名◯区」という新しい形式に変わり、投票の際の区分が明確になりました。こうした制度改革は、選挙の透明性向上と成り行きの読みやすさを目指したものでした。

選挙結果の概要

結果として、与党である立憲政友会は、選挙前の165議席から278議席に増加し、圧勝を収めました。この大勝利により、政権基盤が一段と強化されました。対照的に、野党の第一党である憲政会は議席を減少させ、109議席となりました。無所属議員も減少し、政界の勢力図が変わりつつあることが示されました。さらに、この選挙では沖縄県の先島諸島や北海道の国後島、択捉島においても初めて国政選挙が実施されました。

選挙データ

その時の内閣は原敬内閣で、解散日は1920年2月26日、投票日は同年5月10日というスケジュールで行われました。改選数は464で、選挙制度は小選挙区制（一部複数区制）が採用されました。制限投票は、直接国税3円以上を納税している満25歳以上の男性であり、有権者数は306万9148人と記録されています。投票率は86.72%で、前回に比べて5.20%上昇しました。

議席と政党の内訳

議席に関しては、立憲政友会が278議席、憲政会が109議席、立憲国民党が29議席を獲得しました。また、中立（無所属）の議員も48議席存在しました。立憲政友会からは151名、憲政会からは48名、立憲国民党からは10名の初当選者が出ました。行きつかれた選挙によって、243名の新たな顔ぶれが議会に登場することになったのです。

このように、第14回衆議院議員総選挙は日本の選挙制度における重要な節目として認識されています。有権者の拡充や選挙制度の改革がもたらした影響は、その後の日本の政治に大きく寄与することとなりました。この選挙の結果は、政権の安定や発展の基盤を築く一助となったのです。

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