第154独立警備連隊 (ロシア陸軍)

第154独立警備連隊

ロシア陸軍に所属する第154独立警備連隊は、正式名称をロシア語で「154-й отдельный комендантский полк」といい、首都モスクワの警備任務に加え、ロシア連邦軍の公式な儀仗隊としての役割を担っています。その名称には、帝政ロシア時代にピョートル大帝によって創設された遊戯連隊に源流を持つ、由緒ある近衛連隊「プレオブラジェンスキー連隊」の名が冠されており、その歴史と伝統を受け継いでいます。

歴史

連隊の歴史は、ロシア革命後の激動期に始まります。

創設期

起源は1918年3月11日、モスクワ市軍事警備司令部に設置された一つの警備班に遡ります。同年7月には市軍事委員部警備班へと改称され、さらに7月23日には独立したモスクワ警備局へと改編されました。1919年5月には、全ロシア参謀本部によってモスクワ警備局の規程が承認され、組織としての基盤が固められました。1921年からは、連隊の重要な任務の一つである赤の広場での閲兵式の組織にも携わるようになります。1925年には独立地方狙撃中隊が編成され、アレシンスキエ兵舎に配置されました。

第二次世界大戦

第二次世界大戦が勃発し、特に1941年8月以降、モスクワ市に対する脅威が高まる中で、警備局の任務は拡大しました。都市の防空対策やバリケードによる防衛組織が加わり、5つの防衛区と機動予備隊が増設されました。これらの防衛区には、軍事学校の生徒も動員されるなど、総力戦体制が敷かれました。1941年10月20日にはモスクワ市に包囲事態が布告されます。この時、警備局は第2、第3、第19、第30、第73独立地方狙撃大隊、第15、第16、第45、第61独立地方狙撃中隊を含む、総勢3,119名の兵員を擁しており、内務人民委員部（NKVD）国内軍の第2独立作戦任務師団などがその指揮下にありました。戦争終結の時点では、警備局は6個の独立現地狙撃大隊、9個の独立現地狙撃中隊、3個の独立現地狙撃小隊で構成されていました。

戦後

戦争終結後の1945年11月20日、警備局は再編され、第73独立地方狙撃大隊となります。この部隊はアレシンスキエ兵舎に引き続き駐屯しました。その後、部隊は幾度かの改編を経て、1948年4月には第465独立地方狙撃中隊、同年11月3日には第465独立警備中隊へと名称が変更されました。1949年4月10日には、この第465中隊を基盤として、第99独立警備大隊が編成されます。1961年には、解散した第3独立自動車化狙撃大隊が第99大隊に編入され、部隊規模が拡大しました。1976年末には、部隊は軍事都市「レフォルトヴォ」に移転しました。そして1979年12月、この第99大隊を基盤として、現在の第154独立警備連隊が編成されたのです。

ロシア連邦

ソ連崩壊後、ロシア連邦軍の一部となった連隊は、1993年5月に2番目の車両中隊を編成するなど、内部組織の拡充を進めました。1995年には、戦闘保障小隊、通信小隊、交通規制小隊から成る保障中隊が編成されました。1999年12月には、部隊の駐屯地が軍事都市「チョープルイ・スターン」に移転します。同年には、モスクワ防空管区の礼砲大隊が連隊に編入され、儀仗任務の強化が図られました。そして2013年、大統領令により、連隊は帝政ロシアの伝統ある部隊にちなんだ名誉部隊名「プレオブラジェンスキー連隊」を正式に付与されました。

編制

現在の第154独立警備連隊は、連隊本部の下に、第1指揮大隊、第2指揮大隊、軍楽隊、儀仗大隊（第1儀仗中隊、第2儀仗中隊を含む）、特別模範軍楽隊、特殊任務中隊、車両中隊、保障中隊、憲兵中隊といった主要な部隊で構成されています。特に儀仗大隊は、外国からの要人訪問や記念式典などで、その威容を示す重要な役割を担っています。

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