第19回国民体育大会

第19回国民体育大会は、1964年に新潟県を中心に開催されました。この大会は、春季大会と冬季大会に分かれ、それぞれ異なる競技が行われました。春季大会は6月に開催され、スローガンは「国体へ県民一致の力こぶ」となっていました。大会の開催日は東京オリンピックに配慮し、事前に設定されました。

開催概要

春季大会は新潟県内の複数の会場で行われ、スケートとスキーの競技がそれぞれ箱根町と高田市で実施されました。しかし、1964年8月に予定されていた夏季大会は、新潟地震の影響で中止となりました。このため、天皇杯と皇后杯の争いは春季大会までの成績をもとに決定され、新潟県が両方の杯を獲得したのです。これは、1957年の静岡大会以来、開催県が天皇杯を獲得したのは2度目のことでした。

冬季大会

冬季大会は、スケート競技が1月26日から29日まで神奈川県箱根町で、スキー競技は2月13日から16日に新潟県高田市（現上越市）および妙高高原で行われました。両大会ともに、多くの選手が参加し、熱戦が繰り広げられました。

春季大会の競技会場

春季大会では、各種目ごとに異なる会場で競技が行われました。主要な競技会場は以下のようになっています:

- 漕艇：両津市加茂湖漕艇場
- ヨット：両津市両津湾ヨットハーバー
- 陸上：新潟県営陸上競技場
- サッカー：新潟市日本ガス化学など
- テニス：柿崎町営コートなど
- ホッケー：新潟県立巻高等学校グラウンドなど
- ボクシング：新津市立第一小学校体育館
- バレーボール：新発田市営外ヶ輪公園など
- 体操：新潟市体育館
- バスケットボール：長岡市厚生会館など
- レスリング：新潟県立新潟高等学校体育館
- ウエイトリフティング：黒埼町立大野小学校体育館
- ハンドボール：柏崎市営陸上競技場など
- 自転車：弥彦競輪場
- 軟式庭球：新潟市営白山庭球場
- 卓球：直江津市立厚生市民館
- 軟式野球：新発田市営新発田球場など
- 相撲：新潟市営相撲場
- 馬術：新潟競馬場
- 柔道：加茂市営市民体育館
- ソフトボール：高田市営野球場など
- フェンシング：新潟県立高田高等学校体育館
- バドミントン：新潟県立三条高等学校体育館
- 弓道：県営三条弓道場
- ライフル射撃：新潟県警察射場など
- クレー射撃：弥彦クレー射撃場
- 剣道：新潟県立村上高等学校体育館
- ラグビーフットボール：新潟市営第2グラウンドなど
- 山岳：飯豊連峰
- 高校野球：新潟市営第2グラウンドなど

夏季大会

夏季大会は、新潟地震の影響により水泳を含む多くの競技が中止となりました。

総合成績

大会の結果として、天皇杯は新潟県が1位を獲得し、続いて東京都、大阪府がそれぞれ2位、3位に入りました。同様に、皇后杯も新潟県がトップに立ち、東京都と大阪府が続く結果となりました。

特徴的なエピソード

第19回国民体育大会は、いくつかの革新をもたらしました。新潟名物の笹団子が広く知られることになったのも、この大会がきっかけの一つです。また、柏崎アクアパークの屋外プール施設が、この大会のために整備されたことが後に地域の観光資源となっています。さらに、山岳競技の実施に向けて県内の山岳団体が団結し、新潟県山岳協会が誕生したのもこの大会の影響です。これらの出来事は地域の活性化にも繋がり、多くの人々に影響を与えました。

このように、第19回国民体育大会は、スポーツイベントとしてだけでなく、新潟県の文化や名物を広める重要な役割を果たした大会でした。

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