第19回天皇杯全日本サッカー選手権大会

1939年全日本蹴球選手権大会の概要

1939年6月9日から11日まで、明治神宮外苑競技場にて第19回全日本蹴球選手権大会が開催されました。この大会は、日本サッカー界において名誉の象徴とされる天皇杯全日本サッカー選手権大会の一環であり、8チームが参加しました。特筆すべきなのは、予選の方式が大きく見直された点で、地域別の予選を経て、各地で行われた地方対抗試合が新たに導入されました。

参加チームと予選

地方予選を勝ち抜いたチームは、関東、関西、そして朝鮮地域から選ばれました。具体的には、関東Aの早稲田大学、関西Aの関西学院大学、朝鮮Aの延禧専門学校がシード権を持ち、順調に本大会へ進出しました。また、関西学生トーナメントで優勝した関西学院はシードとなり、準優勝の神戸高商が繰り上げで出場しました。このように、関東、関西、朝鮮の3地域に出演チームが集中したことで、地域間の競争がより一層激化しました。

準決勝の激闘

準決勝では、早稲田大学と全普成との対戦が行われました。試合は一進一退の攻防が繰り広げられ、延長戦直前に全普成の金容植が同点ゴールを決め、最終的に2-2の引き分けとなりました。しかし、抽選により早稲田大学が勝者となり、決勝への進出を果たしました。

決勝戦の激闘

決勝戦では、前年王者の慶應BRBと早稲田大学が対峙しました。試合は後半20分過ぎからの降雨にもかかわらず、両者の熱い戦いが繰り広げられました。試合は1-1の同点から延長戦に突入し、早稲田大学の渡辺が二点目を挙げてリードしましたが、慶應の小畑がすぐさま追いつき、逆転劇が続きました。最後に、延長後半に二宮洋一のシュートが決まり、慶應BRBが逆転勝利を収め、これで4回目の優勝を達成しました。

順位決定戦

本大会では順位決定戦も行われ、参加チームは1位から8位までの順位が定められました。慶應BRBが優勝した後、早稲田大学、全普成、東京帝国大学、延禧専門、関西学院大学、大阪クラブ、神戸高商の順で順位が決まるという結果になりました。

予選の詳細

地方予選では、各地域から強豪チームが選出されました。北海道からは北海道帝国大学、東北からは東北帝国大学が出場。関東B、Cや関西B、朝鮮Bも本大会から参加し、活気を加えました。これにより、地方対抗試合が熱い戦いを繰り広げる舞台となりました。

結論

1939年の全日本蹴球選手権大会は、地域を超えた競争と優勝に向けた果敢な戦いが魅力的な大会となりました。特に慶應BRBの4度目の優勝は一際記憶に残る出来事であり、日本のサッカー界の歴史に新たな一ページを刻む結果となったのです。

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