第19空軍 (アメリカ軍)

第19空軍の概要

第19空軍（Nineteenth Air Force）は、アメリカ空軍の航空教育・訓練軍団（AETC）に所属する航空軍であり、その司令部はテキサス州のランドルフ空軍基地に位置しています。この空軍は、主に飛行教育や訓練業務を遂行しており、約3万1千名の要員が在籍しています。司令官は少将が任命されるポストで、指導力と責任を担っています。

この部隊は1955年に戦術航空軍団（TAC）の一部として設立され、その後歴史の中で様々な変遷を経ています。1973年にはベトナム戦争の終結に伴い、一時的に編成が解除されたものの、1993年に航空教育・訓練軍団下の部隊として再編成されました。

ただし、2012年には経費削減策の一環として閉隊されましたが、長期的に効果が薄かったため、2014年10月に再び活動を開始しました。これにより、空軍の教育機関としての役割は今も変わらず重要であり続けています。

主な業務と部隊

第19空軍は、多種多様な飛行機を保有しており、搭乗員の育成に力を入れています。その機数は約1,800機に達しており、操縦士だけでなく、機上操作員など、幅広い職務に対応する要員の育成を行っています。

主な訓練航空団

1. 第12飛行訓練航空団（12th Flying Training Wing）: テキサス州ランドルフ空軍基地にあり、T-6、T-37、T-38、T-43、T-1などの練習機を使用して訓練を行います。
2. 第14飛行訓練航空団（14th Flying Training Wing）: ミシシッピー州コロンバス空軍基地にあり、T-37やT-38などの練習機部隊です。
3. 第42航空基地航空団（42nd Air Base Wing）: アラバマ州マクスウェル空軍基地に所属し、アメリカ空軍大学の運営や基地の管理を担っています。
4. 第56戦闘航空団（56th Fighter Wing）: アリゾナ州ルーク空軍基地にあり、F-16戦闘機を用いた実機飛行や戦闘訓練を行います。
5. 第58特殊作戦航空団（58th Special Operations Wing）: ニューメキシコ州カートランド空軍基地に拠点を構え、回転翼機や特殊機材の訓練を専門としています。
6. 第59医療航空団（59th Medical Wing）: テキサス州ラックランド空軍基地に所在し、医療支援を提供します。
7. 第47飛行訓練航空団（47th Flying Training Wing）: テキサス州ラフリン空軍基地にある訓練部隊で、T-6やT-38を利用します。
8. 第71飛行訓練航空団（71st Flying Training Wing）: オクラホマ州バンス空軍基地に拠点を置き、同様にT-6やT-38を使用します。
9. 第80飛行訓練航空団（80th Flying Training Wing）: テキサス州シェパード空軍基地にあり、T-6やT-38を用いた訓練を行います。
10. 第97航空機動航空団（97th Air Mobility Wing）: オクラホマ州アルタス空軍基地で、空中給油機や輸送機部隊（KC-135、C-5、C-17）として機能します。
11. 第314空輸航空団（314th Airlift Wing）: アーカンソー州リトルロック空軍基地で、輸送機（C-21、C-130）を使用します。
12. 第325戦闘航空団（325th Fighter Wing）: フロリダ州ティンダル空軍基地にあり、戦闘機部隊としてF-15およびF-22を使用して訓練を行います。

これらの部隊は各地域で異なる役割を担いながら、アメリカ空軍の航空能力を高めるために重要な役割を果たしています。

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