第190飛行隊 (イスラエル空軍)

イスラエル空軍 第190飛行隊について

イスラエル空軍第190飛行隊は、イスラエル航空宇宙軍に所属する攻撃ヘリコプター部隊で、AH-64Aアパッチを主に運用しています。この部隊は「マジック・タッチ・スコードロン」という愛称で知られており、設立当初はMD 500ディフェンダーも扱っていたため、「ディフェンダー・スコードロン」とも呼ばれていました。

歴史

第190飛行隊の歴史は1973年に始まります。この年、イスラエル空軍は第四次中東戦争の戦訓を元に、新たに攻撃ヘリコプターの導入を決定しました。1975年にはベル社製のAH-1Gコブラを試験的に導入し、1978年には第160飛行隊がAH-1を本格運用開始しました。

1979年にはレバノンでの作戦でAH-1の有用性が確認され、その後の運用数増加が図られましたが、アメリカ側からの輸出の制限により一部はMD500ディフェンダーに変更されることとなります。MD500はAH-1と同様に対戦車ミサイルを運用できる能力を持ちながら、コスト面で有利でした。1980年に32機が導入され、第190飛行隊が正式に編成されたのです。

MD500はその初陣を1980年7月に果たし、その後もレバノン南部での作戦に数多く参加しました。特に1982年の「ガリラヤの平和作戦」では、敵部隊の支援や攻撃において大きな役割を果たしました。この作戦では、シリア軍の装甲車両や地対空ミサイルサイトへの攻撃などが実施されました。

この一連の作戦の結果、PLOはこの地域から撤退を余儀なくされましたが、代わってヒズボラが勢力を強め、第190飛行隊のMD500も80年代から90年代にかけて継続して作戦に投入されました。特に1993年7月には「オペレーション・アカウンタビリティ」でヒズボラの拠点を攻撃するなど、国内での軍事活動において重要な役割を担いました。

1990年以降、イスラエル空軍はAH-64Aの運用を開始し、1993年には追加の機体が供与されました。これにより第190飛行隊はAH-64Aに改編され、1994年にはMD500の運用を終了します。翌1995年にはAH-64Aを運用する部隊として再始動し、ラモン空軍基地を拠点に活動を再開しました。

第190飛行隊は1996年の「怒りの葡萄作戦」への参加を皮切りに、2005年には改良型のAH-64Dを導入し、部隊規模が倍増します。これにより、第190飛行隊はイスラエル空軍内で唯一のAH-64A運用部隊となり、2006年の第二次レバノン戦争や2008年のキャストレッド作戦にも参加しました。

このように、第190飛行隊は長い歴史を有する部隊であり、常に進化を遂げてきました。今後もイスラエル空軍として重要な役割を果たすことが期待されています。

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