第2期棋聖戦 (将棋)

第2期棋聖戦

昭和38年度前期に開催された将棋のタイトル戦、「第2期棋聖戦」は、1962年12月10日から1963年7月26日にかけて行われました。棋聖戦は、当時の将棋界において重要な位置を占めるタイトルであり、多くの棋士がこの栄冠を目指して参加しました。本大会もまた、熱戦が繰り広げられ、将棋ファンにとって見逃せないシリーズとなりました。

挑戦者選考の過程

棋聖戦の挑戦者となるためには、厳しい予選及び本戦を勝ち抜く必要がありました。第2期棋聖戦でも、一次予選、二次予選という段階を経て、多くの実力派棋士がぶつかり合いました。これらの予選トーナメントは、若手からベテランまで、様々な顔ぶれの棋士が出場し、それぞれが己の将棋を尽くしました。本戦へと進んだ精鋭たちの中から、最終的にタイトルホルダーである大山康晴棋聖への挑戦権を争う二人の棋士が選ばれました。

挑戦者決定戦の激闘

第2期棋聖戦の挑戦者決定戦は、二上達也王将と花村元司八段の間で行われました。当時の棋界で屈指の実力者として知られていた両者によるこの対局は、三番勝負形式で行われました。一局ごとに形勢が揺れ動く緊迫した戦いが繰り広げられ、勝敗は最終第3局までもつれ込みました。この激戦を制したのは、二上王将でした。花村八段を相手に2勝1敗の成績を収めた二上王将は、見事に大山棋聖への挑戦権を獲得し、自身初となる棋聖位挑戦の機会を得たのです。この勝利は、二上王将にとって大きな自信となる一歩でした。

棋聖戦五番勝負

1963年夏、第2期棋聖戦五番勝負の火蓋が切られました。相対するのは、当時「昭和の大名人」として将棋界に君臨していたタイトル保持者の大山康晴棋聖と、挑戦者となった二上達也王将です。多くの将棋ファンが固唾を呑んで見守る中、対局は始まりました。しかし、結果は挑戦者にとって非常に厳しいものとなりました。大山棋聖は、持ち前の深い読みと隙のない指し回しで、挑戦者である二上王将の攻めを巧みに受け止め、逆に主導権を握る展開を続けます。五番勝負は一方的な流れとなり、大山棋聖が第1局、第2局、第3局と立て続けに勝利。わずか3局でシリーズに決着をつけ、挑戦者二上王将を退けました。

タイトル防衛、そして大山時代

この五番勝負での3連勝により、大山康晴棋聖は棋聖のタイトルを見事に防衛しました。これは、大山棋聖にとって第1期に続く2期連続での棋聖位獲得であり、通算でも2期目の栄冠となりました。この時期の大山康晴は、他のタイトル戦でも圧倒的な強さを見せており、まさに「大山時代」と称される将棋界の頂点に立っていました。第2期棋聖戦でのストレート防衛は、その強さを改めて証明する結果と言えるでしょう。挑戦者となった二上王将にとっては悔しい結果となりましたが、この経験は今後の棋士人生における糧となったに違いありません。

記録と資料

第2期棋聖戦に関する詳しい情報は、当時の将棋専門誌や日本将棋連盟が発行する将棋年鑑、あるいは山本武雄氏による将棋史に関する著作などに記録されています。これらの資料からは、当時の対局の模様や棋士たちの息遣いを感じ取ることができます。また、日本将棋連盟の公式サイトにおいても、棋聖戦の歴史として本棋戦に関する情報が掲載されており、将棋ファンや歴史研究家にとってアクセスしやすい情報源となっています。これらの資料は、第2期棋聖戦が将棋史においてどのような意義を持っていたのかを理解する上で重要です。

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