第20回東京国際映画祭

第20回東京国際映画祭：2007年の映画祭を彩る国際色豊かな作品とイベント

2007年10月20日から28日までの9日間、東京の六本木と渋谷にて第20回東京国際映画祭が開催されました。本映画祭は、TOHOシネマズ 六本木ヒルズ、オーチャードホール、シアターコクーン、ル・シネマ1、2など、複数の会場を使用し、盛況のうちに幕を閉じました。

多彩なプログラム：コンペティション部門から特別企画まで

世界各国から集まった668本の応募作品の中から厳選された14作品が、コンペティション部門で上映されました。オープニング作品には『ミッドナイト イーグル』、クロージング作品には『シルク』が選ばれ、観客を魅了しました。

20周年の節目を記念して企画された「映画が見た東京」は、東京を舞台にした作品を通して、街の魅力を再発見する機会を提供しました。また、この年から新設された「ワールド・シネマ」部門は、世界各国の多様な映画作品を紹介する場となりました。

さらに、本映画祭では「ニッポン・シネマ・クラシック」、「文化庁映画週間」、「みなと上映会」など、多くの共催・提携企画が開催されました。これらの企画は、日本の映画史や文化を再考する機会や、多様な視点からの映画鑑賞体験を提供しました。

アジア映画の振興を目的とした「アジアの風」部門、「ディスカバー亜州電影」、そして日本映画の新たな才能を発掘する「日本映画・ある視点」部門も引き続き開催されました。エドワード・ヤン監督の追悼特集も企画され、彼の功績を称えました。

アニメーション作品を紹介する「animecs TIFF 2007」、映画音楽との融合を楽しむ「シネマ・ヴァイブレーション」、そして若手映画監督の作品を上映する「東京ネットムービーフェスティバル2007」など、様々なジャンルの企画も用意され、映画ファンにとって魅力的なプログラムが展開されました。

審査員と受賞作品：国際的な視点と日本の才能

コンペティション部門の審査委員長には、映画プロデューサーのアラン・ラッドJr.が就任。セルジュ・ロジック、ニコラ・ピオヴァーニ、ウー・ニエンジェン、香川京子、降旗康男ら、映画界の著名人が審査員を務めました。

コンペティション部門では、東京サクラグランプリに『迷子の警察音楽隊』（監督：エラン・コリリン）、審査員特別グランプリに『思い出の西幹道』（監督：リー・チーシアン）が選ばれました。最優秀監督賞、最優秀女優賞、最優秀男優賞、最優秀芸術貢献賞、観客賞など、様々な賞が、個性豊かな作品と才能あふれる映画作家たちに贈られました。

アジア映画賞では、『シンガポール・ドリーム』（監督：イェン・イェン・ウー、コリン・ゴー）が最優秀アジア映画賞を受賞しました。また、「日本映画・ある視点」部門では、『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程』（監督：若松孝二）が作品賞に輝きました。

黒澤明賞には、デヴィッド・パットナムが選ばれました。これらの受賞作品は、国際的な視点と日本の才能を融合した、映画祭のハイライトとなりました。

当日券販売とアクセス

第19回に引き続き、全上映回で当日券が販売されました。これは、多くの映画ファンに映画祭へのアクセスを提供する取り組みとして高く評価されました。六本木と渋谷というアクセスの良い立地も、多くの観客を集めた要因の一つと言えるでしょう。

第20回東京国際映画祭は、多様な作品と企画、そして国際的な視点が融合した、記憶に残る映画祭となりました。この映画祭は、日本の映画文化の発展に大きく貢献し、世界中の映画ファンに感動と興奮を与えました。

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