第24師団:満州から沖縄へ、激戦の歴史
第24
師団は、
1939年(
昭和14年)10月に満州のハルビンで編成された
大日本帝国陸軍の
師団です。当初は第5軍の隷下として国境警備に当たっていました。しかし、太平洋戦争の激化に伴い、その運命は大きく変わることになります。
編成と初期の活動
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師団は、満州に駐屯していた2個連隊と、内地から派遣された1個連隊を基幹として編成されました。編成後は、満州における国境警備という任務を担い、その地域での防衛に尽力しました。しかし、その後の戦局の変化は、この
師団を激戦地へと駆り立てることになります。
南方への派遣とメレヨン島の悲劇
1944年(
昭和19年)2月、第24
師団の一部は、第7派遣隊としてメレヨン島に派遣されました。この派遣隊は、
歩兵第22・第32連隊の一部と
野砲兵第42連隊、
工兵第24連隊の一部から構成されていました。メレヨン島への上陸は無事に成功しましたが、連合軍の上陸こそなかったものの、激しい空襲と補給途絶による飢餓に苦しめられました。その結果、守備隊の3/4が終戦までに死亡するという、悲惨な状況に陥りました。同時期に、
歩兵第89連隊の一部も第1派遣隊として抽出され、
サイパン島へと送られました。これらの派遣隊は、後に独立混成旅団に改編され、それぞれの戦地で激戦を繰り広げました。
沖縄戦への投入と壮絶な戦い
1944年7月、第24
師団の主力は沖縄戦に転用され、第32軍の隷下に入りました。
沖縄本島に上陸後、第9
師団が
台湾へ移動したため、その担当区域を引き継ぎ、防御体制を構築しました。派遣隊として抽出された欠員は、沖縄の現地召集者などにより補充されました。
1945年(
昭和20年)4月、
アメリカ軍が沖縄に上陸すると、第24
師団は第32軍の総予備として待機し、
4月23日に戦闘に加入しました。
5月4日には総反撃を試みましたが、
歩兵第32連隊の一部が棚原高地を占領した以外には、目立った戦果を上げることができませんでした。その後、戦況は悪化の一途をたどり、6月初旬には
師団固有の練度の高い人員は3000人以下にまで激減。配属部隊を合わせても、
師団兵力は1万2千人という状態でした。そして、6月20日、
師団長の雨宮巽中将が自活自戦を指示し、
師団としての組織的な戦闘は終結を迎えました。同月末には、
師団長と参謀長が自決し、その歴史に幕を下ろしました。しかし、
歩兵第32連隊の一部は終戦まで部隊行動を続け、8月末から9月初旬に投降しました。
戦後の発見と悲劇の証
1966年8月、沖縄南部の壕で発見された約80体の遺骨のうち、14体が雨宮中将ら高級将校のものであることが判明しました。これは、第24
師団が辿った悲劇的な最期を物語る、一つの証拠と言えるでしょう。
装備と戦力
1945年当時の主な装備は以下の通りでした。
三八式歩兵銃:約7000丁
四年式15cm榴弾砲:12門
九一式10cm榴弾砲:16門
九五式75mm
野砲:8門
しかし、6月初旬には小銃が3人に1丁、機関銃が残存2割、
歩兵砲・
迫撃砲が残存1割などにまで減少していました。これは、戦況の悪化と補給の途絶により、戦力が著しく低下していたことを示しています。
歴代師団長と主要幹部
歴代師団長
黒岩義勝 中将:
1939年10月2日 - 1941年3月1日
根本博 中将:1941年3月1日 -
1944年2月7日
雨宮巽 中将:
1944年2月7日 -
1945年6月30日(自決)
歴代参謀長
青津喜久太郎
歩兵中佐:
1939年10月2日 - 1940年10月10日
土屋治男 中佐:1940年10月10日 - 1941年4月1日
吉武秀人 大佐:1941年4月1日 - 1942年2月9日
白崎嘉明 中佐:1942年2月9日 -
1944年5月16日
木谷美雄 中佐:
1944年5月16日 -
1945年6月30日頃(自決)
この他にも、高級副官、兵器部長、経理部長、軍医部長、獣医部長などがいました。
最終所属部隊
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師団は、以下の部隊で構成されていました。
歩兵第22連隊(松山)
歩兵第32連隊(山形)
歩兵第89連隊(旭川)
捜索第24連隊
野砲兵第42連隊
工兵第24連隊
輜重兵第24連隊
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師団通信隊
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師団防疫給水部
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師団第1野戦病院
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師団第2野戦病院
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師団制毒隊
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師団兵器勤務隊
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師団病馬廠
参考文献
示村貞夫 『旭川第七
師団』 新北海、1984年。
外山操・森松俊夫編著『帝国陸軍編制総覧』芙蓉書房出版、1987年。
秦郁彦編『日本陸海軍総合事典』第2版、東京大学出版会、2005年。
福川秀樹『日本陸軍将官辞典』芙蓉書房出版、2001年。
外山操編『陸海軍将官人事総覧 陸軍篇』芙蓉書房出版、1981年。
関連項目
大日本帝国陸軍
師団一覧
* 沖縄県営鉄道輸送弾薬爆発事故
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師団は、満州での国境警備から、太平洋戦争の激戦地での戦い、そして沖縄での悲劇的な終焉まで、激動の時代を生き抜いた
師団でした。その歴史は、戦争の悲惨さと、戦没者たちの苦難を今に伝えています。