第25回全国中等学校優勝野球大会

第25回全国中等学校優勝野球大会

1939年（昭和14年）8月13日から8月20日まで甲子園球場にて、第25回全国中等学校優勝野球大会、通称「夏の甲子園」が開催されました。この大会は、戦前の日本における中等学校野球の頂点を決める舞台として、多くの人々に熱狂をもって迎えられました。

大会概要

開催期間: 1939年8月13日 - 8月20日
開催場所: 甲子園球場

代表校

全国各地の予選を勝ち抜いた代表校が甲子園に集結し、熱戦を繰り広げました。

試合結果

以下に主な試合結果を記載します。

1回戦

長野商 2 - 1 東邦商（延長12回）
京都商 3 - 1 仁川商（延長12回）
熊本工 8 - 0 札幌一中
関西学院中 22 - 8 天津商
海草中 5 - 0 嘉義中
福岡工 3 - 2 桐生中

2回戦

高松商 9 - 2 山形中
早稲田実 10 - 5 青森中
下関商 4x - 3 千葉商（延長11回）
島田商 2 - 1 京阪商
米子中 12 - 7 高岡商
福岡工 7 - 5 熊本工
長野商 4 - 2 関西学院中
海草中 5 - 0 京都商

準々決勝

島田商 2 - 1 高松商
長野商 3 - 2 早稲田実
下関商 7 - 1 福岡工
海草中 3 - 0 米子中

準決勝

海草中 8 - 0 島田商
下関商 3 - 2 長野商

決勝

決勝では、海草中と下関商が激突しました。

大会本塁打

2回戦
第1号：白石充（高岡商）

海草中・嶋清一投手の活躍

この大会で最も注目を集めたのは、海草中のエース・嶋清一投手でした。嶋投手は、1937年（昭和12年）の第23回大会から春夏合わせて5回連続（計6回）甲子園に出場し、最終学年でついに優勝投手となりました。

以前の嶋投手は、速球とドロップを武器とする好投手ではありましたが、制球難から大事な場面で崩れることもありました。しかし、この大会に向けて猛練習を重ね、見違えるような安定感を手に入れました。

嶋投手の記録

1回戦（対嘉義中）：3安打15奪三振完封
2回戦（対京都商）：2安打8奪三振完封
準々決勝（対米子中）：3安打9奪三振完封
準決勝（対島田商）：4四球17奪三振無安打無得点試合
決勝（対下関商）：2四球8奪三振無安打無得点試合

嶋投手がこの大会で打ち立てた記録は以下の通りです。

45回連続無失点
5試合連続完封
2試合連続無安打無得点試合
決勝戦無安打無得点試合

これらの記録のうち、45回連続無失点と5試合連続完封は後に福嶋一雄（小倉）によって、決勝戦無安打無得点試合は松坂大輔（横浜）によって更新されましたが、2試合連続無安打無得点試合はいまだに唯一の記録となっています。

この偉業を称え、「海草の嶋か、嶋の海草か」とまで言われました。

関連項目

第16回選抜中等学校野球大会

外部リンク

* 第25回全国中等学校優勝野球大会

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