第29普通科連隊

第29普通科連隊について

第29普通科連隊は、陸上自衛隊第11師団隷下の普通科連隊として、北海道虻田郡倶知安町の倶知安駐屯地に駐屯していました。1962年（昭和37年）に編成され、1996年（平成8年）に廃止されるまで、35年の歴史を持ちます。

編成

連隊は、連隊本部、本部管理中隊、4個の普通科中隊、および重迫撃砲中隊で構成されていました。連隊長には、1等陸佐（二）が任命されていました。

廃止の経緯

中期防衛力整備計画（平成8年～12年）における削減対象となり、1996年（平成8年）3月に廃止されました。連隊の人員は、廃止後、倶知安駐屯地勤務を希望した約350名のうち、250名余りが職種変換教育を受けた後、第11対戦車隊、函館駐屯地より移駐した第28普通科連隊第4普通科中隊、第13施設群第343施設中隊（現在は第13施設群第361施設中隊）、第1陸曹教育隊上級陸曹教育中隊、倶知安駐屯地業務隊などに配属されました。

なお、第28普通科連隊第4普通科中隊は、2008年（平成20年）3月に第11対戦車隊と合併し、北部方面対舟艇対戦車隊に改編されています。

沿革

第29普通科連隊の歴史は、第18普通科連隊第2大隊の編成から始まります。

1955年（昭和30年）：第18普通科連隊第2大隊が新編。
1955年（昭和30年）9月10日：第18普通科連隊第2大隊が倶知安駐屯地に移駐。
1956年（昭和31年）1月25日：第7混成団新編に伴い、隷下に編入。

第29普通科連隊

1962年（昭和37年）1月18日：倶知安駐屯地において第7混成団第18普通科連隊第2大隊を母体に第29普通科連隊が編成完結。第11師団隷下に編入。
1989年（平成元年）3月24日：師団改編により、自動車化。
1993年（平成5年）7月：北海道南西沖地震に災害派遣で出動。
1996年（平成8年）
2月：豊浜トンネル岩盤崩落事故に災害派遣で出動。
3月15日：連隊旗返納行事を挙行し、師団長へ廃止準備完了報告、防衛政務官へ連隊旗を返納。この時点で所属人員のほとんどが書類上他部隊へ転属扱いとなる。残務整理として各中隊に書類上中隊長以下5名程度が残り、物品の引き継ぎ業務及び隊舎の明け渡し業務を実施。
3月29日：正式に廃止。

災害派遣

第29普通科連隊は、北海道南西沖地震や豊浜トンネル岩盤崩落事故といった災害に際し、派遣され、人命救助や復旧活動に貢献しました。

連隊の終焉

1996年3月、第29普通科連隊は35年の歴史に幕を閉じました。連隊の廃止は、中期防衛力整備計画によるものでしたが、連隊に所属していた隊員たちは、それぞれの新たな配属先で活躍を続けました。

参考文献

* さらば！29連隊（著者：笠原直樹）

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