函館駐屯地

函館駐屯地について

函館駐屯地（はこだてちゅうとんち、JGSDF Camp Hakodate）は、北海道函館市広野町に所在する陸上自衛隊の駐屯地です。第28普通科連隊をはじめとする部隊が駐屯しており、北海道南部の防衛を担っています。この駐屯地は、北海道最南端に位置し、津軽海峡を眼前に望む場所にあります。陸上交通の結節点・終着点としての役割も担っており、その地理的な重要性から、過去には冷戦下の緊張を象徴する出来事にも関わってきました。

概要

函館駐屯地は、北海道南部の防衛拠点として重要な役割を果たしています。駐屯地司令は、第28普通科連隊長が兼務しており、最寄りの演習場は駒ケ岳演習場です。冷戦時代には、ソ連のMiG-25戦闘機が函館空港に強行着陸するというベレンコ中尉亡命事件が発生し、ソ連特殊部隊の奪還作戦に備えて、極秘裏に出動体制を整えていたという説もあります。駐屯地内には資料館が設置されており、その歴史や活動を知ることができます。また、駐屯地の周辺には函館競輪場や乃木神社函館分社などの施設もあります。

沿革

函館駐屯地の歴史は、旧日本陸軍の砲兵練兵所に遡ります。戦後、警察予備隊の函館駐屯地として再出発し、その後、保安隊、そして陸上自衛隊へと組織が改編されてきました。以下に、主な沿革をまとめます。

日本陸軍時代：陸軍砲兵練兵所が設置される。
警察予備隊時代：
1950年10月15日：東千歳駐屯地から移駐した部隊により、函館駐屯地が開設。
1951年5月1日：警察予備隊第5連隊第3大隊が編成。
1951年8月：第200仮会計隊第3分遣隊（現在の第332会計隊）が発足。
1951年10月1日：新隊員訓練部隊が編成。
1952年1月19日：第5連隊第3大隊が第4連隊第3大隊に改称。
保安隊時代：
1952年10月15日：警察予備隊が保安隊に改編され、北部[[方面隊]]が編成。駐屯地管理隊（現在の函館駐屯地業務隊）が編成。
1952年11月28日：北部方面通信所函館支所（現在の第311基地通信中隊函館派遣隊）が編成完結。
1952年12月12日：臨時青函地区輸送連絡部函館支部（後の中央輸送業務隊青函地区隊函館派遣隊）が設置。
1952年12月：独立第47特科大隊が姫路駐屯地から移駐。
1953年3月12日：第400警務大隊第2警務中隊函館派遣隊（後の第101地区警務隊函館派遣隊）が設置。
1953年9月1日：函館駐屯地業務隊が編成完結。
1953年10月5日：第4連隊第3大隊が釧路駐屯地に移駐。
陸上自衛隊時代：
1954年7月1日：陸上自衛隊設置に伴い、函館駐屯地が開設。独立第47特科大隊が第106特科大隊に改編。
1954年7月5日：第1新隊員教育隊及び第2新隊員教育隊が編成完結。
1954年12月15日：第106特科大隊が東千歳駐屯地へ移駐。
1959年8月13日：第1新隊員教育隊を第101教育大隊に改編、第2新隊員教育隊を廃止。
1962年8月3日：第28普通科連隊が滝川駐屯地から移駐。
1962年8月11日：第101教育大隊が真駒内[[駐屯地]]に移駐。第28普通科連隊が新隊員教育を担当。
1964年3月31日：第311地区施設隊が高田駐屯地から移駐。
1971年7月3日：東亜国内航空「ばんだい号」が横津岳に墜落、災害派遣。
1976年9月6日：MiG-25が函館空港に強行着陸（ベレンコ中尉亡命事件）。
1988年3月25日：第311地区施設隊を第343施設中隊に改編。
1993年7月12日：北海道南西沖地震、奥尻島に災害派遣。
1996年3月29日：第11師団の改編に伴い、第28普通科連隊第4普通科中隊及び第343施設中隊が倶知安[[駐屯地]]に移駐。
2006年3月27日：中央輸送業務隊青函地区隊の廃止に伴い、第3移動支援隊を新編。
2008年3月26日：第11師団の旅団化に伴う駐屯部隊改編及び移駐。第28普通科連隊を普通科連隊（軽）に改編。中央輸送業務隊第3移動支援隊が横浜駐屯地へ移駐。第101地区警務隊函館派遣隊を第120地区警務隊函館派遣隊に改編。
2017年9月19日：敷地内に地対空誘導弾パトリオットミサイル（PAC3）部隊を配備。
2017年9月27日：小野寺五典防衛相が視察。

駐屯部隊

現在、函館駐屯地には以下の部隊が駐屯しています。

北部[[方面隊]]隷下部隊：
第11旅団
第28普通科連隊
第11後方支援隊
第2整備中隊
第3普通科直接支援小隊
北部方面システム通信群
第101基地システム通信大隊
第314基地通信中隊函館派遣隊
北部方面会計隊
第332会計隊
函館駐屯地業務隊
防衛大臣直轄部隊：
警務隊
北部方面警務隊
第120地区警務隊函館派遣隊
共同の機関:
自衛隊函館地方協力本部 - （函館駐屯地の隣接地である函館市広野町6-25に所在しており、道南地域援護センターと地本用車両は駐屯地内にある）
函館地区隊
道南地域援護センター

最寄りの幹線交通と重要施設

函館駐屯地へのアクセスには、以下の幹線交通が利用できます。

一般道：国道5号、国道227号、国道278号、北海道道63号函館空港線、北海道道83号函館南茅部線、北海道道100号函館上磯線
鉄道：JR北海道函館本線 函館駅
港湾：函館港（重要港湾）、江差港（地方港湾）
飛行場：函館空港、鹿部飛行場、八雲飛行場

また、周辺には以下の重要施設があります。

知内発電所（上磯郡知内町）
コスモ石油 函館物流基地（北斗市）
太平洋セメント 上磯工場（北斗市）
松前警備所（松前郡松前町）
奥尻空港（奥尻郡奥尻町）
東京航空局 函館航空路監視レーダー事務所（函館市）
* 青函トンネル

関連情報

函館[駐屯地]]は、五稜郭からも近い場所に位置しています。駐屯地の詳細な情報については、公式の[函館駐屯地のウェブサイトをご覧ください。

以上が函館駐屯地に関する詳細な情報です。

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