第3代総選挙 (大韓民国)

第3代総選挙の概要

第3代総選挙は、1954年5月20日に実施され、大韓民国の民議院議員を選出するための重要な政治イベントでした。この選挙は第一共和国時代のものであり、韓国では「第○回」ではなく「第○代」として数えられ、選挙の名前も「総選挙」ではなく「総選」と省略されることが一般的です。

背景

1952年7月、抜粋改憲を経て大統領に当選した李承晩は、憲法における三選禁止の規定を撤廃して終身大統領を目指す意向を持っていました。これにより、李大統領やその側近は、この選挙で与党が三選禁止を撤廃するための憲法改正に必要な議席を確保することが最大の課題となりました。そのため、選挙においては金銭や暴力を用いた大規模な不正行為が行われることになりました。

また、この選挙では自由党や民主国民党が候補者公募制を導入し、候補者と党との関係の明確化を図り、選挙戦において自党の当選確率を高める戦略がとられました。

不正行為の詳細

与党自由党は、三選禁止規定を撤廃するための議席数を確保するために、不正選挙を展開しました。有権者の買収や野党候補者の登録妨害、さらには暴力団を利用しての野党演説会の襲撃など、多様な不正行為が実行されました。また、投票に必要な番号表の不交付や幽霊投票、代理投票、特定候補者の事前束票投入、投票箱の取替えなど、選挙過程での混乱も目立ちました。結果として、選挙後には25件もの当選無効や選挙無効の訴訟が提起されました。

もちろん、官憲による選挙妨害も行われ、自由党候補者が落選すれば警察署長や査察係長が左遷され、当選すれば警察幹部への栄転が約束されるなど、圧力がかけられました。

選挙結果と影響

第3代総選挙では、議員の任期は4年、改選議席数は203議席であり、完全小選挙区制が採用されていました。投票者数は8,446,509名で、91.1%という高い投票率を記録しました。結果的に自由党は過半数を上回る議席を獲得しましたが、議席占有率は56.2%に留まり、目標とする3分の2には届きませんでした。そのため、自由党は多数派工作を行い、無所属当選者を入党させることで議席を増やしました。

結論

第3代総選挙は、不正行為と政治的圧力が横行した選挙であり、大韓民国の政治情勢に多大な影響を与えました。李承晩政権の樹立を助ける一方で、選挙制度における問題点が浮き彫りとなり、今後の政治改革への道筋を示すものとなりました。今後の韓国政治において、 この選挙の教訓がどのように活かされていくのかが注目されます。

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