第3回社会人野球日本選手権大会

第3回社会人野球日本選手権大会

1976年の社会人野球シーズンを締めくくる第3回日本選手権大会は、10月30日から11月6日までの期間、野球の聖地・阪神甲子園球場を舞台に開催されました。

大会の背景と特色

3回目の開催を迎えた今大会でしたが、連続して本大会に出場を果たしたチームはわずか4チームにとどまり、全国各地の地区予選では早くも強豪チーム同士の激しい争いが展開されました。夏の都市対抗野球で頂点に立った日本鋼管、そして惜しくも準優勝だった北海道拓殖銀行は、それぞれ予選を突破し本大会へ駒を進め、注目を集めました。

波乱含みの戦い

大会本戦では、早くも予期せぬ波乱が待ち受けていました。優勝候補の一角と目されていた日本鋼管が、大会初出場の愛媛相互銀行との初戦でまさかの敗北を喫し、早々に姿を消しました。このように波乱含みの展開となった今大会を最終的に制したのは、安定した投手力を最大の武器とする新日本製鐵名古屋でした。新日本製鐵名古屋は、この優勝により、愛知県勢として社会人野球の全国大会で初めての栄冠を掴む快挙を達成しました。

決勝戦

11月6日に行われた決勝戦では、新日本製鐵名古屋と日本鉱業佐賀関が対戦。激戦の末、新日本製鐵名古屋が勝利を収め、チームにとって初の日本選手権優勝を果たしました。この試合では、新日本製鐵名古屋の水谷啓投手が勝利投手となり、対する日本鉱業佐賀関は藤沢投手が敗戦投手となりました。

個人タイトルと大会優秀選手

大会を通じて活躍した選手には、以下の個人タイトルが贈られました。

最高殊勲選手賞: 水谷啓昭（投手：新日本製鐵名古屋）
敢闘賞: 藤沢公也（投手：日本鉱業佐賀関）
首位打者賞: 福島寿利（外野手：新日本製鐵名古屋）

また、ポジションごとに選ばれた大会優秀選手は以下の通りです。

投手:
水谷啓昭（新日本製鐵名古屋）
藤沢公也（日本鉱業佐賀関）
門倉和博（九州産交）
千藤和久（北海道拓殖銀行）
児玉克雅（新日本製鐵光）
登記欣也（神戸製鋼）
捕手:
吉田秀雄（新日本製鐵名古屋）
佐伯国司（九州産交）
竹内昭文（北海道拓殖銀行）
一塁手:
西城真寿雄（新日本製鐵名古屋）
湯野清二（日本鉱業佐賀関）
二塁手:
木下英己（新日本製鐵光）
三塁手:
伏原直（日本鉱業佐賀関）
遊撃手:
小坂登（新日本製鐵名古屋）
外野手:
福島寿利（新日本製鐵名古屋）
金森道正（新日本製鐵名古屋）
井上新一（九州産交）
上田信広（九州産交）
山本重行（東京ガス）
楢原明（大丸）

大会で生まれた記録

今大会では、いくつかの特筆すべき記録も生まれました。

1試合最少安打: わずか4安打。これは1回戦の日本楽器対日本鉱業佐賀関戦で記録されました。
連続試合完封: 2試合連続完封。これは九州産交の門倉和博投手が、1回戦のTDK戦、そして2回戦の三協精機戦で達成したもので、大会タイ記録となりました。
* 最少投球数: わずか69球。1回戦の九州産交戦において、TDKの浅井治彦投手が記録しました。

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