第2次松方内閣

第2次松方内閣

第2次松方内閣（だいにじ まつかたないかく）は、1896年9月18日に伯爵の松方正義が第6代内閣総理大臣に任命された内閣です。この内閣は1898年1月12日までの約1年半にわたり、日本の政治を運営しました。

内閣人事

松方内閣は、1896年9月20日に内閣書記官長や法制局長官に職を任命しました。松方正義の内閣は、国務大臣として在職していた482日の間、財政や外交などさまざまな分野において政策を進められました。

内閣の成立背景

前内閣である第2次伊藤内閣は、超然主義を志向する山縣有朋元首相や進歩党の大隈重信からの反発を受け、1896年8月に総辞職に至ります。松方は内閣の運営にあたるべく、議会において進歩党との連立政権を構築しました。その際、進歩党の大隈党首が外相に就任し、松方内閣は「松隈内閣」とも呼ばれます。このように、政党との連携を試みること自体が初の試みでした。

政治的課題と困難

しかし、内閣の運営にあたる中で、当初の陸相人事において長州藩出身の桂太郎ではなく薩摩出身の高島が選ばれたことで、薩摩と長州の間に亀裂が生じます。その結果、進歩党への依存度が高まった松方政権は、薩摩内部から不満が高まりました。また、松方が提案した「地租増徴」により進歩党内での倒閣機運が高まり、結果として1897年11月に大隈が外相を辞任し、進歩党員が閣外に去る事態を招きました。

議会における支持を失った内閣は、自由党に接近しようとするが、党内での意見対立もあり、松方はさらなる政権維持の道を模索する必要に迫られました。

1897年12月には、第11回帝国議会の中で不信任案が提出され、松方は衆議院を解散し、さらなる総選挙を実施しました。しかし、困難な状況から抜け出せない松方は、その日のうちに辞表を提出し、内閣は総辞職に至ります。

内閣の後の影響

松方内閣が打ち出した政策はその後も日本の政局に影響を残しました。1898年には第2次山縣内閣が成立するまでの1年間、2度の総選挙や3度の首相交代が発生し、混乱した政治状況が続きました。

また、松方の2度の議会対策の失敗により、薩摩閥の影響力は低下し、長州閥が優位に立つ結果を招きました。長州閥の中からは、後に復帰する伊藤や山縣の存在があり、さらには桂太郎が長期政権を築くこととなります。一方、薩摩閥の首相復帰は15年後の山本権兵衛まで持ち越されることとなるのです。

主な政策

松方内閣が制定した政策の一つに、金本位制の実現に向けた貨幣法の制定があります。1897年に公布されたこの法令は、後の財政政策に大きな影響を与えました。また、新聞紙条例の改正も行われ、言論統制の緩和が試みられました。これにより政治の自由が一部改善され、国民の知識や意見の発表が促進されました。

結論

第2次松方内閣は日本の政局において重要な変革期を迎えた内閣であり、その運営においてさまざまな課題と困難に直面しました。政権維持に失敗し、混乱を招いた結果、新たな政治的潮流を生むこととなったこの内閣の歩みは、日本の政治発展における重要な一幕として記憶され続けています。

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