第3装甲師団 (ドイツ国防軍)

第3装甲師団の概要

第3装甲師団（3. Panzer-Division）は、1935年に設立され、第二次世界大戦を通じてドイツ国防軍の重要な戦力として活動しました。特にポーランド侵攻とフランス侵攻に参加した後、1941年のバルバロッサ作戦以降、師団は主に東部戦線での戦闘に従事しました。以下にその歴史と戦闘の様子を詳述します。

歴史

第3装甲師団は、1935年10月15日に第1および第2装甲師団と共に編成され、ドイツ国防軍の最初の装甲部隊となりました。当時のドイツはヴェルサイユ条約によって戦車開発が制限されており、初期の装甲車両は不十分なものでしたが、I号戦車やII号戦車の開発が始まっていました。開戦を前に、師団の一部隊はスペイン内戦への派遣部隊である「コンドル軍団」にも参加しています。

1939年のポーランド侵攻時、師団は391両の戦車を装備し、主にポメラニア地域への侵攻を担当しました。1940年5月のフランス侵攻ではベルギーを経由して北部フランスへ侵攻し、同年後半には北アフリカ戦線への派遣が計画されましたが、地政学的状況により中止され、代わってフェリックス作戦に参加しました。第5戦車連隊のみがリビアに派遣され、北アフリカ戦線での活動が続きました。

1941年のソ連侵攻前夜、第3装甲師団は第18装甲師団と統合され、一部が潜水戦車大隊に再編されました。バルバロッサ作戦では、師団はハインツ・グデーリアンの指揮の下で中央戦域に投入され、その後キエフ包囲戦やモスクワへの攻撃に参加しました。これらの作戦は、当初の計画以上に厳しい戦闘を強いられる結果となりました。

1942年の冬、ソ連軍の反攻に対して緊急部隊として活動し、春にはハリコフの防衛戦、夏にはブラウ作戦に従事しましたが、この作戦も持続的な攻撃により失敗に終わり、最終的にはモズドク付近での戦闘で大きな損失を被りました。撤退の際には、ロストフからアゾフ海を渡るという困難な状況を乗り越えました。

1943年に入ると、ツィタデレ作戦では南部戦線の一部として戦い、その後はソ連軍の攻勢に対する防衛に従事しました。この間、チェルカッシーやキエフ、ドニエプルなどでの戦闘を経て、遂にはポーランドに撤退しました。

1944年末にはハンガリーに南進し、ブダペスト包囲戦に参加しましたが、これも成功しませんでした。終戦間際にはオーストリアに撤退し、アメリカ軍に投降しました。

師団の編成

1939年 ポーランド侵攻時の編成

• - 第3装甲旅団
• - 第5戦車連隊（後に第5軽師団に改編）
• - 第6戦車連隊
• - 第3歩兵旅団
• - 第32歩兵連隊
• - 第3オートバイ歩兵大隊
• - 第75砲兵連隊
• - 第3偵察大隊
• - 第39戦車駆逐大隊
• - 第39工兵大隊
• - 第39信号大隊
• - 第83補給団

1943年 東部戦線の編成

• - 第6戦車連隊
• - 第3装甲擲弾兵連隊
• - 第394装甲擲弾兵連隊
• - 第75砲兵連隊
• - 第314対空大隊
• - 第3装甲偵察大隊
• - 第543戦車駆逐大隊
• - 第39工兵大隊
• - 第39信号大隊
• - 第83補給団

このように、第3装甲師団は多くの重要な戦闘に参加した歴史を持ち、特に東部戦線での戦いは数々の教訓を提供しました。

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