コンドル軍団

コンドル軍団の概要

コンドル軍団（コンドルぐんだん、独: Legion Condor）は、1930年代にナチス・ドイツがスペイン内戦で展開した特殊部隊で、性格上は義勇兵による部隊として組織されました。この軍団は、主にドイツ空軍で構成されていましたが、少数の陸海軍部隊も加わり、1936年から1939年までフランシスコ・フランコの国民戦線軍を支援しました。ここでの「Legion」は、義勇軍や傭兵部隊の意味を持ちます。

背景と編成

スペイン内戦は1936年7月に始まり、フランコがウォーバー軍（国民戦線軍）を率いて蜂起しました。この動きに対抗するため、アドルフ・ヒトラーはフランコを支える決定を下し、最初の航空部隊を同年8月に北アフリカに派遣しました。11月には、コンドル軍団が正式に編成され、フーゴ・シュペルレ少将が司令官として指揮を執りました。軍団は約100機の航空機と約5,000名の兵士から成り、最終的には延べ15,000人から20,000人がこの部隊に参加しました。

スペイン内戦は新しい戦術を実践する場としても機能し、ドイツはその最新機器を投入しました。中でも、メッサーシュミット Bf 109やハインケル He 111、ユンカース Ju 87などの航空機は初めて戦闘に使用され、後の第二次世界大戦でも広く利用されることとなります。特に戦闘機隊では、エース・パイロットのヴェルナー・メルダースが頭角を現しました。さらに、陸軍からはイムカー戦闘団が派遣され、数十両の戦車とともに、国民戦線軍の訓練に貢献しました。

ゲルニカ爆撃

1937年4月26日、コンドル軍団とイタリア空軍は協力してバスク地方のゲルニカを爆撃しました。この攻撃は、市民に対する無差別爆撃の初期の例とされ、結果として市街地の60%から70%が破壊されました。死傷者数については、異なる報告が存在し、バスク亡命政府は1650人が死亡したと主張しましたが、近年の研究では実際の死者数は250人から300人とされています。これに関連して、芸術家パブロ・ピカソは「ゲルニカ」という壁画を制作し、この事件の惨劇を広く知らしめました。

内戦の終息とその後の影響

1939年4月1日、フランコが勝利を宣言し、スペイン内戦はほぼ終結を迎えました。コンドル軍団は徐々にドイツに凱旋し、ベルリンでの式典を経て、その経験をポーランド侵攻やフランス侵攻に活かしました。一方で、フランコを支援した代償として、スペインからは青師団が編成され、東部戦線においてソヴィエト連邦との戦闘に従事しました。

戦後の評価

1998年、ドイツ連邦議会はコンドル軍団に関する名誉剥奪法を制定し、関連する名が公的機関から外される決定が下されました。これにより、メルダースに与えられた名誉も剥奪され、その結果、関係者の反発も生じました。これらの事例は、コンドル軍団が持つ複雑な歴史とその影響を示しています。

コンドル軍団は、単なる軍事介入だけでなく、後の歴史や国際関係にまでその影響を及ぼした重要な存在であると言えるでしょう。

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