第31師団 (日本軍)

第31師団

第31師団は、大日本帝国陸軍の師団の一つであり、第二次世界大戦中にその歴史を刻みました。1943年（昭和18年）3月22日にタイのバンコクで編成され、南方作戦における重要な役割を担うこととなります。

沿革

第31師団の編成は、既存の部隊を基盤として行われました。具体的には、以下の部隊が統合されました。

歩兵第58連隊（旧第13師団）
歩兵第138連隊（旧第116師団）
歩兵第35旅団司令部（旧第18師団川口支隊）
歩兵第124連隊（旧第18師団川口支隊）
山砲兵第40連隊（旧第40師団を改称し山砲兵第31連隊へ）
工兵第31連隊（独立混成第7、第8、第9旅団工兵隊を基幹）
輜重兵第31連隊（輜重兵第12連隊（第18師団）からの転属者を基幹）

これらの部隊は、第15軍の戦闘序列に編入され、その指揮下で作戦行動を行うことになります。特に、インパール作戦における第15軍の補給を無視した作戦方針に対し、師団が独断で撤退したことは特筆に値します。

師団概要

第31師団は、その編成から終戦までの間、以下のような幹部によって指揮されました。

師団長

佐藤幸徳 中将: 1943年（昭和18年）3月25日 - 1944年（昭和19年）7月5日
河田槌太郎 中将: 1944年（昭和19年）7月5日 - 終戦

参謀長

加藤国治 大佐: 1943年（昭和18年）3月25日 - 1944年11月7日
長久竹郎 大佐: 1944年（昭和19年）11月7日 - 1945年7月21日
大矢部省三 大佐: 1945年（昭和20年）8月5日 - 終戦

第31歩兵団長

宮崎繁三郎 少将: 1943年（昭和18年）3月25日 - 1944年（昭和19年）8月30日

隷下部隊

インパール作戦時の隷下部隊は以下の通りです。

第31歩兵団: 第138連隊（中突進隊）鳥飼恒男大佐

最終所属部隊は以下の通りです。

歩兵第58連隊（高田）：稲毛譲大佐
歩兵第124連隊（福岡）：福沢定和大佐
歩兵第138連隊（奈良）：鳥飼恒男大佐
山砲兵第31連隊: 大矢部省三大佐
工兵第31連隊: 鈴木孝大佐
輜重兵第31連隊: 野中久治大佐
第31師団通信隊: 西村七男少佐
第31師団兵器勤務隊: 船越帰一大尉
第31師団衛生隊: 板谷明憲中佐
第31師団第1野戦病院: 渡部三郎軍医少佐
第31師団第2野戦病院: 守正道軍医少佐
第31師団第3野戦病院: 牧瀬忠正軍医少佐
第31師団防疫給水部: 飯田栄一軍医少佐
第31師団病馬廠: 角野千秋獣医中尉


第31師団は、その編成から終戦まで、南方戦線での激戦を経験しました。特に、インパール作戦での撤退は、その後の戦局に大きな影響を与えたと言えるでしょう。

参考文献

外山操・森松俊夫編著『帝国陸軍編制総覧』芙蓉書房出版、1987年。
秦郁彦編『日本陸海軍総合事典』第2版、東京大学出版会、2005年。
福川秀樹『日本陸軍将官辞典』芙蓉書房出版、2001年。
外山操編『陸海軍将官人事総覧 陸軍篇』芙蓉書房出版、1981年。

関連項目

インパール作戦
第15軍
第15師団
第33師団

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