第31航空群

第31航空群（Fleet Air Wing 31）

第31航空群は、海上自衛隊が運用する航空部隊の一つで、岩国航空基地（山口県岩国市）に所属しています。この航空群は、特殊な任務を持ち、国の安全保障に貢献する重要な役割を果たしています。群司令には海将補（二）が充てられ、その指揮の下で活動しています。

主な任務と部隊編成

第31航空群は、主に以下の2つの航空隊で構成されています。まず第71航空隊は、水陸両用の救難飛行艇US-2を使用して、遭難した航空機や船舶の捜索、乗員の救助、さらには離島からの急患輸送を行います。この部隊の活動は、海上での救助活動として非常に重要です。

次に、第81航空隊は、EP-3を用いた電子戦データの収集を主な任務としています。この部隊は、OP-3Cを使用して画像情報を収集し、UP-3DおよびU-36Aを合わせて、艦艇の電子戦訓練や対空射撃訓練の支援を行っています。また、岩国航空基地には標的機整備隊もあり、高速標的機の整備と整備員の教育を担当しています。

沿革

第31航空群は1973年に新編され、その後様々な変遷を経てきました。1976年には第71航空隊がUS-1を使用して新編され、1983年には第81航空隊がUP-2Jによって設立されました。1988年にはU-36Aが第81航空隊に配備されるなど、部隊の運用は徐々に進化してきました。

特に重要な出来事として、1978年には第31航空隊のPS-1が墜落し、13名が殉職するという痛ましい事故がありました。これにより航空部隊の安全管理の重要性が再認識されました。また、2010年には、第71航空隊のUS-2が日本海上で初の洋上救難を成功させ、その功績は広く称賛されました。

このような歴史を持つ第31航空群は、2020年に部隊の改編が行われ、第81航空隊と第91航空隊が統合され、新たな形で再編成されました。

組織構成

第31航空群の司令部は岩国航空基地に位置し、航空群の指揮を行う役職には群司令、首席幕僚、幕僚、先任伍長が含まれます。また、支援役割を果たす整備補給隊も存在し、航空機整備、電子整備、武器整備の各部署が協力して部隊を支えています。

まとめ

第31航空群は、海上自衛隊の中でも特に専門的な任務を担う航空部隊として、国の防衛や救助活動に貢献しています。今後も地域の安全を守るため、様々な活動を展開し続けることが期待されています。そのため、部隊としての連携と訓練の重要性はますます高まっており、これからの活動に注目です。

もう一度検索