第32歩兵師団 (アメリカ軍)

第32歩兵師団（32nd Infantry Division）

第32歩兵師団はアメリカ陸軍に属する師団で、特に第一次世界大戦と第二次世界大戦において重要な役割を果たしました。この師団は、1917年7月にミシガン州兵とウィスコンシン州兵を基に編成され、第一次世界大戦でアルゴンヌの戦いに投入されました。戦争の終結を迎えた1919年4月5日には解散しています。

第一次世界大戦

第一次世界大戦では、32歩兵師団は、主に西部戦線での激しい戦闘に参加しました。特にアルゴンヌの戦いは、アメリカ軍がドイツ軍に対して大規模な攻勢を行った歴史的な戦闘です。この戦いでは多くの兵士が命を落とし、師団の名はその勇敢な活動により歴史に刻まれました。戦争が終わった後、この師団は一時的に解散しましたが、その後の歴史で再び編成されることになります。

第二次世界大戦

1940年10月15日、32歩兵師団は再編成されました。再編成時にもミシガン州とウィスコンシン州の州兵が中心となり、新たに師団が形成されました。1942年5月にはオーストラリアに到着し、そこでの訓練を経て、東部ニューギニアの戦いに参加します。9月16日から始まるココダ道の戦いでは、日本軍に対する追撃を担当し、その後の展開に大きな影響を与えました。

初めはポート・モレスビーの防衛を主な任務としていましたが、戦局が厳しさを増す中、師団は124歩兵連隊の一部を空輸してブナ付近へ派遣し、日本軍に対する攻撃を開始しました。しかし、ブナへの攻勢は順調に進むことなく、連合国の指導者であるダグラス・マッカーサー将軍が師団長を交代させる決断を下しました。その後、32歩兵師団は1943年1月にオーストラリアに戻り、訓練と休養を行いました。

1944年1月、師団は再度ニューギニア北岸に展開し、4月22日にはアイタペに上陸。そこで日本軍第18軍と接触し、8月末まで激しい戦闘を繰り広げました。日本軍との接触が続く中、師団は戦術的役割を果たし、掃討戦によって地元の敵勢力を圧倒しました。

さらに1944年11月14日にはレイテ島に上陸し、第1騎兵師団などの他の部隊と協力し、日本軍を壊滅させる作戦を遂行しました。12月までの戦闘の結果、連合国はレイテ島の完全な制圧に成功しました。

1945年1月27日にはルソン島のリンガエン湾に上陸し、その後終戦まで現地で戦闘を続けました。日本の降伏後、1945年10月に師団は日本占領部隊として日本本土に派遣され、1946年2月28日に解体されるまでの間、歴史にその存在を刻みました。

このように、第32歩兵師団は二度の大戦で重要な役割を果たし、多くの戦闘でその活動が記録されています。この師団は、アメリカ陸軍の歴史において重要な一翼を担う存在でした。

もう一度検索