第33回ボストン映画批評家協会賞

第33回ボストン映画批評家協会賞は、2012年に公開された映画作品の中から、特に優れたものをボストンの映画批評家たちが選出し、称えるために贈られた賞です。その選考結果は、2012年12月9日に発表されました。

主な受賞結果

この年度の最も栄誉ある賞とされる作品賞には、キャスリン・ビグロー監督が手がけた『ゼロ・ダーク・サーティ』が選ばれました。次点には、ミヒャエル・ハネケ監督による重厚な人間ドラマ『愛、アムール』と、ウェス・アンダーソン監督の独特な世界観が魅力の『ムーンライズ・キングダム』が挙げられています。

主演男優賞は、スティーヴン・スピルバーグ監督の『リンカーン』で主人公エイブラハム・リンカーンを演じ、その圧倒的な演技力が称賛されたダニエル・デイ＝ルイスが受賞しました。次点には、『ホーリー・モーターズ』で複数の役柄を演じ分けたドニ・ラヴァンが続きました。

主演女優賞は、『愛、アムール』で老いた女性の生と死を繊細に演じたエマニュエル・リヴァが獲得しました。次点には、『桃さんのしあわせ』に出演したディニー・イップが選ばれています。

助演男優賞は、『ウォールフラワー』での演技が評価されたエズラ・ミラーが受賞しました。次点には、『ジャンゴ繋がれざる者』のクリストフ・ヴァルツが名を連ねました。

助演女優賞は、『リンカーン』でリンカーンの妻メアリー・トッド・リンカーンを演じたサリー・フィールドが受賞しました。次点は、『ウォールフラワー』に出演したエマ・ワトソンでした。

監督賞は、作品賞も受賞した『ゼロ・ダーク・サーティ』から、キャスリン・ビグロー監督が選出されました。次点には、『ザ・マスター』のポール・トーマス・アンダーソン監督が続いています。

脚本賞は、『リンカーン』を手がけたトニー・クシュナーが受賞しました。次点には、『ムーンライズ・キングダム』の脚本を共同で執筆したウェス・アンダーソンとロマン・コッポラが挙げられました。

撮影賞は、『ザ・マスター』で映像美を追求したミハイ・マライメア・Jrが受賞しました。次点には、『ムーンライズ・キングダム』のロバート・D・イェーマンと、『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』のクラウディオ・ミランダが共同で選ばれています。

ドキュメンタリー賞は、『How to Survive a Plague』が受賞し、次点には『The Queen of Versailles』が選ばれました。

外国語映画賞は、作品賞でも次点となったオーストリア、フランス、ドイツ合作の『愛、アムール』が受賞しました。次点には、フランス、ドイツ合作の『ホーリー・モーターズ』が続きました。

アニメ映画賞は、ティム・バートン監督によるストップモーションアニメ『フランケンウィニー』が受賞しました。次点には、『パラノーマンブライス・ホローの謎』が選ばれています。

編集賞は、『ゼロ・ダーク・サーティ』を手がけたウィリアム・ゴールデンバーグとディラン・ティチェナーが受賞しました。次点には、『アルゴ』を担当したウィリアム・ゴールデンバーグが単独で挙げられています。

新人映画人賞には、ドキュメンタリー『How to Survive a Plague』で監督を務めたデヴィッド・フランスが選出されました。次点には、『ハッシュパピー〜バスタブ島の少女〜』のベン・ザイトリンが続きました。

アンサンブル・キャスト賞は、映画『セブン・サイコパス』に出演した俳優陣全体に贈られました。次点には、『ムーンライズ・キングダム』のキャストが選ばれています。

音楽賞は、『ムーンライズ・キングダム』の音楽が受賞しました。次点には、『ジャンゴ繋がれざる者』の音楽が挙げられています。

この第33回ボストン映画批評家協会賞では、『ゼロ・ダーク・サーティ』が作品賞、監督賞、編集賞を受賞し、『リンカーン』が主演男優賞、助演女優賞、脚本賞、『愛、アムール』が主演女優賞と外国語映画賞など、複数の主要作品が複数の部門で高く評価される結果となりました。これらの受賞は、その後のアカデミー賞など、他の主要な映画賞レースの動向を占う上でも注目されるものとなりました。

もう一度検索