第33回NHK紅白歌合戦

第33回NHK紅白歌合戦の概要

1982年12月31日、第三十三回NHK紅白歌合戦が多くの期待を抱いて開催されました。NHKホールで行われ、生放送は21時から23時45分まで続きました。この年の紅白は出場歌手の曲目選定が、通常の発表後からではなく9月21日から始まるという新しい試みが実施されました。

各レコード会社に対し、歌唱希望者のリストを作成し、希望曲を3曲提出するよう求められました。このことで、音楽業界には出演への道が開かれる一方で、これまでヒットに恵まれなかった歌手たちにもチャンスが与えられました。また、「名曲紅白」なるテーマが設けられ、ヒット曲ではない楽曲や他のアーティストの曲も多く披露されました。

今回の司会は、黒柳徹子と9年連続となる山川静夫が務め、安定した進行が評価されました。また、今まで使われていた「スタイン・ソング」が廃止され、各年の入場行進曲が毎年異なるインストルメンタルに変更されることになりました。これにより、入場時の演出が刷新されました。

紅組は赤いブレザーに白いスカート、白組は白いブレザーに黒いズボンで統一され、華やかさが増しました。選手宣誓の際には、初めて両軍から各2名が参加し、盛り上がりを見せました。さらに、全ての曲が歌詞テロップ付きで放送されたため、視聴者もより楽しめる内容となっていました。

また、トリ候補の発表も先行して行われ、紅組には八代亜紀や島倉千代子などが名を連ね、白組には五木ひろしや森進一が選ばれました。森進一が「影を慕いて」を歌うことが事前に発表されると、それに対抗する形で「涙の連絡船」を歌う島倉千代子が選出されました。このように、楽曲が大きな注目を集めました。

サザンオールスターズが「チャコの海岸物語」を披露し、そのパフォーマンス中に桑田佳祐が言葉を発し、批判にさらされる場面もありましたが、彼自身はこの出来事について後年に言及し、あくまで楽しいパフォーマンスだったと語りました。他にも、青江三奈や岩崎宏美といったアーティストたちも特別な公演を披露し、それぞれに観客を魅了しました。

今回の紅白は、視聴率が69.9%を記録し、過去と比べて若干の減少が見られました。そのため、山川は白組の司会を退任し、黒柳は引き続き紅組の司会を続けることとなりました。また、大会委員長にはNHK放送総局長の川口幹夫が就任し、大勢の審査員が参加する盛大なイベントとして完了しました。

この年の紅白には、多くの初出場アーティストが揃い、一部の歌手はその後のキャリアにおいても記憶に残る存在となっています。特に、初出場である桜田淳子のパフォーマンスは注目され、その後もゲスト出演を果たしています。参加アーティストたちの多様性やパフォーマンスは、今なお語り継がれる要素となっており、翌年以降もその影響が色濃く残りました。記憶に残る名曲たちと共に、視聴者に多くの感動を届けた紅白歌合戦の思い出深い一夜でした。

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