第2次大平内閣

第2次大平内閣の概要

第2次大平内閣は、大平正芳が1979年11月9日に内閣総理大臣に任命され、1980年7月17日までの約8か月間、日本の政治を指導しました。この内閣の背景には、1979年10月の衆議院議員総選挙で自由民主党が議席を大きく減らしたことがありました。この結果、反主流派と呼ばれる各派閥から大平総理の責任を問う声が上がり、激しい党内抗争が展開されました。

政治的背景と内閣の発足

特に注目すべきは、内閣総理大臣指名選挙において、自由民主党の主流派に属する大平と反主流派の福田赳夫という二人が候補として立った異例の事態です。この選挙は、主流派と反主流派の力関係を反映したものでしたが、大平は決選投票の結果、新自由クラブの支持を得て内閣総理大臣に選出されました。

当初、大平内閣は新自由クラブとの連立政権を目指しましたが、反主流派の反発により組閣は困難を極めました。最終的に大平は急遽第2次大平内閣を発足させ、閣僚人事の余地を残したまま新内閣をスタートさせました。

内閣の政策と外交

大平内閣の外交政策では、中ソ対立の影響を受けた中国との関係強化が重点的に取り扱われました。特に1979年12月には大平が中国を訪問し、政府借款の供与を約束するとともに、「日中文化交流協定」に署名しました。この合意は、その後の1980年代における日中の関係強化の足がかりとなりました。

内閣の崩壊と総辞職

しかし、1980年5月には自民党内の造反によって内閣不信任決議が可決され、内閣は衆議院解散という形で対応せざるを得ませんでした。これにより史上初めて衆参同日選挙が実施されることになりました。しかし、その選挙期間中の6月12日、大平首相が心筋梗塞で急逝し、大きな政治的混乱を引き起こしました。

大平の急死を受け、内閣官房長官の伊東正義が臨時代理に指名され、内閣は形式上総辞職しました。この状況下で、特別国会が開かれ、選挙後に鈴木善幸が新しい内閣総理大臣に選ばれるまでの間、国家の運営は続けられました。

まとめ

第2次大平内閣は、日本の政治史において重要な瞬間であり、多くの課題や外交的な進展がありました。これを通じて、内閣が直面した党内抗争、外交政策、そして突然の崩壊という出来事は、今後の日本政治に影響を与える結果となるのです。

もう一度検索