第36回衆議院議員総選挙

第36回衆議院議員総選挙

第36回衆議院議員総選挙は、1980年6月22日に日本で実施された重要な選挙です。この選挙は、自民党が政権を握っているものの、内閣不信任案が予期せぬ形で可決されたことが引き金となって行われました。この経緯から、この選挙は「ハプニング解散」と呼ばれています。

解散の背景

1980年5月19日、内閣不信任案に伴い突如として衆議院が解散され、その影響でわずか8か月後に総選挙が行われることとなりました。このような急な解散は、政治の不安定化を示しており、過去の例においても数少ない出来事の一つです。また、この選挙は第12回参議院議員通常選挙と同日に実施され、歴史上初めての衆参同日選挙でもありました。

選挙の数週間前、現職総理大臣の大平正芳が急死するという非常事態が発生しました。この状況は、内閣が国会において総辞職しなければならないという憲法第70条の解釈にも影響を与えました。大平の死去により新たな総理大臣が選出されるまでの混乱が続きましたが、自民党内での選挙戦略も大きく影響を受けました。内閣総理大臣の権限は、伊東正義官房長官が臨時代理として執行することとなり、総裁権限は西村英一副総裁が担当しました。

選挙の実施状況

選挙の公示日は1980年6月2日で、投票日は6月22日でした。選挙は中選挙区制に基づき、511議席が改選されることとなりました。この選挙では、日本国民の投票率は74.57%に達し、女性の投票率が特に高かったことが注目されました。

政党別に見ると、自民党は284議席を獲得して大勝を収め、過半数を大きく上回る結果を残しましたが、副総裁の西村と元法務大臣の稲葉は落選しています。これに対し、野党である社会党は現状維持の107議席を確保しましたが、委員長の飛鳥田が辛勝し、著しい強さを見せることができませんでした。公明党や共産党は大きな打撃を受け、民社党は微減にとどまりました。

選挙結果とその影響

選挙の結果、鈴木善幸が新たな内閣総理大臣に選出されました。この選挙においては、当選者の中に35人の初当選者や、最高齢の当選者が含まれるなど、注目すべき事例も見られました。特に、内閣総理大臣の急死による影響が色濃く出た選挙となり、政党内での連携が求められる結果になりました。

この選挙によって、与党が過去6年間続いていた衆参両院における伯仲状態を脱却し、政治の安定を図ることができました。大平の死に伴う選挙は悲劇である一方で、自民党が与党としての地位を確立する手助けともなりました。これにより、政治の流れが大きく変わるきっかけとなったことは否定できません。

今後の日本の政治は、この選挙を通じて築かれた基盤の上で進展していくこととなります。

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