第39回世界卓球選手権

第39回世界卓球選手権

第39回世界卓球選手権は、1987年2月18日から3月1日までインド・ニューデリーのインディラ・ガンディー・アリーナにて行われました。この大会は、前回の選手権から2年を経て開催され、卓球界において特筆すべき変更がいくつかありました。

この選手権から、1987年に国歌や国旗が復活することが国際卓球連盟の総会で決定され、20年ぶりの重要な変更となりました。また、1986年1月から適用されたルールにより、ラケットのラバーの色が赤と黒に限定されることになり、この大会がその最初の適用例となりました。さらに、団体戦では従来の1部から3部のカテゴリ方式が廃止され、すべての国が平等に優勝の可能性を持つ新しい形式が採用されました。

競技結果

この大会では、女子シングルス準決勝で起きた「何智麗事件」が話題となりました。何智麗（現：小山ちれ）と管建華という中国の選手が対戦し、中国の卓球界上層部から管建華を勝たせるよう指令が出されていたにもかかわらず、何智麗が勝利を収め、最終的に優勝を果たしました。管建華の元指導者、荘則棟によると、管は勝つという指令を信じたままで心の準備が不十分なまま試合に臨み、最終的には敗れてしまったとのことです。

日本人選手の成績

日本における選手選考についても特筆すべき点があります。前年度の2月に行われた一次合宿では、長距離走などで小野誠治やインターハイ三冠王の渋谷浩が脱落しましたが、その後も代表選考のチャンスが奪われるわけではありませんでした。最終的に選考基準として「対外人選手の成績を重視し、世界で勝てる者」を基に男子7人、女子6人が選出されました。

注目すべきは、中学2年生の吉田静子が初めての中学生代表として選ばれた点です。これにより、過去の史上最年少代表は2年前のイェテボリ大会で選ばれた高校1年の石田清美から更新されました。

男子選手は小野誠治、宮崎義仁、齋藤清、渋谷浩、松下浩二、糠塚重造、渡辺武弘の7名が出場し、男子団体戦では6位、男子シングルスでは宮崎がベスト16に進出し、男子ダブルスでは小野・宮崎組がベスト8に入りました。

一方、女子チームには石田清美、星野美香、内山京子、橘川美紀、吉田静子、細川幸智子が名を連ねました。女子団体は7位に終わり、女子シングルスでは石田のベスト16が最高成績となりましたが、女子ダブルスでは星野・橘川組がベスト8に進出しました。

この選手権は、日本の卓球界における大きな挑戦を象徴するものであり、選手たちの成績は今後の世代に向けた重要な基盤となることでしょう。今後の国際大会における日本の成績にも大いに期待が寄せられます。

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