第40期棋聖戦 (将棋)

1981年度後期から1982年度前期にかけて開催された第40期棋聖戦は、日本のプロ将棋における権威あるタイトルの一つ、棋聖の称号を巡る一連の対局シリーズです。この期の棋聖戦は、1981年11月2日に開幕し、挑戦者決定に至るまでの予選、本戦を経て、最終的に1982年7月9日の五番勝負終局をもって閉幕しました。

棋聖戦は、数ある将棋のタイトル戦の中でも、多くの棋士にタイトル挑戦の機会が開かれている棋戦として知られています。その構造は多段階に分かれており、まずプロ棋士の大多数が参加する一次予選から始まります。ここで厳しい戦いを勝ち抜いた棋士は、さらにレベルの高い二次予選へと進みます。二次予選でもまた、多くの実力者が相まみえ、勝ち残った棋士だけが本戦へと駒を進めることができます。

本戦では、予選を突破した棋士に加え、前期の本戦成績優秀者やシード棋士らが加わり、トーナメント形式で熱戦が繰り広げられます。この本戦を制した棋士こそが、その時点での棋聖位保持者に対し、タイトルをかけた挑戦者として名乗りを上げることができるのです。第40期においても、この厳しい予選、本戦を勝ち抜き、タイトル挑戦権を獲得したのは、当時八段であった森雞二棋士でした。

当時の棋聖位保持者は、将棋界の重鎮として広く知られる二上達也棋聖でした。二上棋聖は長年にわたりトップクラスの実力を維持し、多くの実績を積み重ねてきた強豪です。一方、挑戦者となった森雞二八段は、勢いのある若手・中堅棋士として注目を集めていました。この経験豊かなタイトル保持者と、新進気鋭の挑戦者という構図で、第40期棋聖戦五番勝負は幕を開けました。

棋聖戦の五番勝負は、先に三局勝利した方がタイトルを獲得、あるいは防衛するという形式で行われます。注目の五番勝負が始まると、挑戦者である森八段が序盤から持ち味を発揮し、見事な指し回しで二上棋聖を圧倒しました。結果は、森八段が第1局、第2局、第3局とストレートで三連勝を飾り、3勝0敗というスコアで決着しました。これはタイトル戦において非常に珍しい一方的な展開であり、当時の森八段の充実した状態と、二上棋聖にとっては厳しい結果となりました。

この五番勝負での勝利により、森雞二八段は自身にとって初めてとなる棋聖のタイトルを獲得しました。これにより、彼は名実ともに将棋界のトップ棋士の一人としての地位を確立しました。一方、二上達也棋聖は惜しくもタイトルを失うこととなりましたが、その輝かしい実績は将棋史に深く刻まれています。

本記事のような辞書形式の記述は、特定の棋戦に関する基本的な情報を網羅することを目的としています。情報の信頼性を高め、読者がさらに深く知りたいと思った場合に役立つよう、通常は参考文献や外部リンクへの言及が含まれます。例えば、この第40期棋聖戦に関する詳細な記録や棋譜、関連情報は、記事末尾に示される「脚注」や、信頼できる情報源への「外部リンク」を参照することで得られます。具体的には、日本将棋連盟の公式サイトにある棋聖戦の特設ページや、その年の将棋界の出来事を公式に記録した「将棋年鑑」などが、有用な情報源として挙げられます。

総じて、第40期棋聖戦は、森雞二八段が二上達也棋聖から棋聖位を奪取し、新たな棋聖が誕生した記念すべき一期となりました。この期の記録は、関係棋士のキャリアにおける重要な一ページとして、また棋聖戦の豊かな歴史の一部として、将棋ファンの間で語り継がれています。

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