第401機甲旅団 (イスラエル国防軍)

第401機甲旅団の概要

第401機甲旅団（英語: 401st Armored Brigade）は、イスラエル陸軍における南部軍第162機甲師団に属する常設機甲旅団であり、革新的な装備と豊かな戦歴を誇る部隊です。この旅団は、イスラエルの国産戦車「メルカバ」シリーズの最新モデルである「メルカバMk.4」と、その改良型「メルカバMk.4M」にトロフィーアクティブ防護システムを搭載して運用されています。

歴史的背景

第401機甲旅団は、1967年に第三次中東戦争の結果、スエズ運河の防衛を担当する第14「バイソン/マアツ」機甲旅団から分割されて創設されました。この旅団は、消耗戦争の期間中に第14機甲旅団と共に第252「シナイ」機甲師団を構成し、交互にスエズ運河防衛の任務を担いました。当初の主な装備は、イギリス製のマガフ6戦車でした。

第四次中東戦争の戦闘

1973年に始まった第四次中東戦争では、当時の旅団長ダン・ショムロン大佐の指導の下、第401機甲旅団は重要な役割を果たしました。部隊はエジプト軍の対戦車ミサイルによる攻撃を受けて大きな損失を出しましたが、それにもかかわらず増援を受けつつ、スエズ運河を逆渡河することに成功しました。

戦後の活動

第四次中東戦争後、第401機甲旅団はシナイ半島での任務を継続しましたが、1979年のキャンプ・デービッド合意によりその任務はエジプトに返還されました。この結果、部隊はヨルダン渓谷南部に移転し、1981年には北部軍へ配置転換されました。

1982年の第一次レバノン戦争では、旅団はレバノン南部の防衛任務に関連し、その後も治安維持活動を実施しました。1991年には第9戦車大隊が旅団に編入されるなど、編成が変わる中で様々な戦闘に参戦しました。

2000年代以降の動向

2000年代に入ると、第二次インティファーダやレバノンからの撤退があり、部隊の活動内容はヨルダン川西岸やガザ地区での治安維持にシフトしていきました。2004年にはメルカバMk.4への装備更新が進められ、以降もトロフィーAPS搭載の「メルカバMk.4M」への改修が行われました。

特に2006年の第二次レバノン戦争では、旅団は早期に戦闘に投じられ、再び重要な役割を果たしました。また、2009年や2014年のガザ紛争にも関与し、その高い防護能力が評価されました。この旅団は、2012年時点で全ての戦車がトロフィーを装備したMk.4M仕様へ改修され、「地球上でもっとも強固に防護された旅団」と称されるまでに至りました。

現在の編制

現在、第401機甲旅団は以下の編制で構成されています。

• - 第46「シェラハ」戦車大隊 (メルカバMk.4M)
• - 第52「ハボキム」戦車大隊 (メルカバMk.4M)
• - 第9「エシェット」戦車大隊 (メルカバMk.4M)
• - 第601「アサフ」戦闘工兵大隊
• - 第785偵察中隊
• - 第298「ヤール」信号中隊

このように、第401機甲旅団はイスラエルの軍事力の中核をなす重要な部隊として、今後もその役割を果たし続けることでしょう。一貫して更新される装備と、数々の戦争で得た経験を活かし、陸軍の一翼を担う存在です。

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