第46師団 (日本軍)

大日本帝国陸軍 第46師団：激動の軌跡

大日本帝国陸軍第46師団は、太平洋戦争における本土防衛強化策の一環として1943年5月14日、熊本で編成された師団です。留守第6師団と独立第66歩兵団を基幹に、西部軍に所属しました。当初は日本本土防衛を任務としていましたが、南方への転出を命じられ、その後の激動の戦線へと身を投じることになります。

師団の編成は、当時進行していた戦争激化への対応として、他の師団（第42師団、第43師団、第47師団）と共に新設されました。これは、本土防衛の強化と南方への兵力増強という、日本軍にとって喫緊の課題への対応策だったと言えるでしょう。

1943年10月、第46師団は南方への転出を命じられます。歩兵第123連隊が最初にジャワ島東部、小スンダ列島のスンバワ島へ上陸しました。二ヶ月後には歩兵第147連隊も同島へ上陸し、当地で活動を開始します。しかし、輸送手段の都合で歩兵第145連隊は南方への進出が遅れ、1944年6月には硫黄島に配属されました。硫黄島の戦いは激戦となり、同連隊は壊滅的な損害を受け全滅という結果に終わりました。これは、第46師団にとって大きな痛手となりました。

師団主力部隊は1945年4月、スンバワ島からマレー半島へと移動し、警備任務に就きました。しかし、この地では大規模な戦闘には巻き込まれることなく終戦を迎えています。

指揮官と構成部隊

第46師団の指揮官には、複数の将官が就任しています。師団長には萱嶋高中将、若松只一中将、国分新七郎中将が歴任しました。参謀長には吉武秀人大佐、内野宇一 大佐、迫田三夫中佐、新開栄作大佐がそれぞれ異なった時期にその職務に就いています。特に、迫田三夫中佐は1945年4月26日に戦死しています。

終戦時の第46師団の構成部隊は、歩兵第123連隊（熊本）、歩兵第147連隊（都城）、第46師団戦車隊、第46師団通信隊、第46師団輜重隊、第46師団兵器勤務隊、第46師団経理勤務部、第46師団野戦病院などから成っていました。これらの部隊はそれぞれ、異なる地域で活動し、師団全体の作戦遂行に貢献しました。

歴史的意義

第46師団は、太平洋戦争における日本軍の南方作戦、そして本土防衛という二つの重要な側面に関わった部隊でした。硫黄島での激戦や、南方での転戦など、激動の時代を象徴する存在と言えるでしょう。また、その活動は、当時の日本軍の兵站や戦略、そして戦争末期の状況を理解する上で貴重な資料となります。

参考文献

秦郁彦編『日本陸海軍総合事典』第2版、東京大学出版会、2005年
外山操・森松俊夫編著『帝国陸軍編制総覧』芙蓉書房出版、1987年
外山操編『陸海軍将官人事総覧 陸軍篇』芙蓉書房出版、1981年
『別冊歴史読本 戦記シリーズNo.32 太平洋戦争師団戦史』、新人物往来社、1996年

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