第49師団 (日本軍)

第49師団

概要

第49師団は、1944年1月に大日本帝国陸軍によって編成された師団です。朝鮮半島に駐屯していた留守第20師団と独立第64歩兵団などを基幹として、臨時編成されました。兵員の約2割は朝鮮半島在住の日本人で構成されていました。

編成と移動

編成後、第49師団は南方軍戦闘序列に編入され、ビルマへの派遣が決定しました。1944年6月からシンガポールとサイゴンに向けて出発しましたが、その途中で2隻の輸送船が撃沈され、約1,600名もの将兵が命を落としました。

ビルマでの戦闘

ビルマに進駐した第49師団は、第33軍に編入されました。歩兵第168連隊と山砲兵第49連隊第2大隊を主力とする吉田部隊は、「断作戦」に参加し、ビルマルートの遮断を目指しました。一方、歩兵第153連隊と山砲兵第49連隊第3大隊で構成された林部隊は、エナンジャン油田北部での作戦に従事しました。

その後、第49師団はメイクテーラ奪回作戦を担いましたが、この作戦は失敗に終わり、ビルマ南方に撤退を余儀なくされました。さらに、シッタン川東岸での防御戦を展開中に終戦を迎えました。

師団の構成

師団長

竹原三郎 中将（1944年1月7日 - 終戦）

参謀長

有富治郎 大佐（1944年1月7日 - 1944年4月6日）
緒方捨次郎 大佐（1944年4月6日 - 終戦）

最終司令部構成

参謀長：緒方捨次郎大佐
作戦参謀：的埜中郎中佐
情報参謀：淵熊市中佐
後方参謀：田口厳寛少佐
参謀：古賀俊次少佐
高級副官：杉浦栄次郎少佐

最終所属部隊

歩兵第106連隊（京城）：斎藤敏雄少佐
歩兵第153連隊（京城）：野田倭文雄中佐
歩兵第168連隊（京城）：中尾策郎大佐
騎兵第49連隊：田中和一郎大佐
山砲兵第49連隊：園田豊二中佐
工兵第49連隊：大原芳一少佐
輜重兵第49連隊：大河原定大佐
第49師団通信隊：宮武金市少佐

参考文献

秦郁彦編『日本陸海軍総合事典』第2版、東京大学出版会、2005年。
外山操・森松俊夫編著『帝国陸軍編制総覧』芙蓉書房出版、1987年。
外山操編『陸海軍将官人事総覧 陸軍篇』芙蓉書房出版、1981年。
『別冊歴史読本 戦記シリーズNo.32 太平洋戦争師団戦史』、新人物往来社、1996年。

関連項目

大日本帝国陸軍師団一覧

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