第5回東京優駿大競走

第5回東京優駿大競走の概要

第5回東京優駿大競走は、1936年4月29日に東京競馬場で行われた重要な競馬イベントです。このレースでは、騎手伊藤正四郎が5番人気の馬トクマサに騎乗し、見事優勝を果たしました。

レースの背景

この年の東京優駿は、これまでの4回とは異なり、特定の人気馬が存在しない状況でした。出走する13頭の中には、それぞれに人気を分け合う馬がいて、混戦模様を呈していました。特に、小岩井農場が誇るパプステツドは新呼馬競走での成績が良好で、その実力から1番人気に支持されました。また、血統や調教内容に期待された千明牧場のマルヌマも人気を集め、続いてハツピーライトが3番人気、牝馬のピアスアロートマスが4番人気となりました。

トクマサは、5戦中1勝の成績でレースに臨んでいましたが、急激に本格化したことが注目され、5番人気とされました。調教師の尾形景造は、競走前から悪天候を考慮し、トクマサの蹄鉄を歯鉄に打ち替え、騎手と相談して後方待機を決断しました。

当日の状況

1936年4月29日は曇天で、前日からの雨の影響を受けた芝は稍不良の状態でした。この年の東京優駿は、創設以来5年連続で道悪の馬場の中で行われることとなりました。

競走の展開

レースが始まると、ハツピーライトが好スタートを切りますが、1コーナー付近でピアスアロートマスが先行し、競走をリードします。その後、マルヌマ、マリーユートピア、パプステツド、そしてトクマサが続きました。

直線に入ると、4番手で追走していたトクマサが徐々に伸びてきます。鞍上の伊藤正四郎は、あまりの激しい追い込みにより鞭が折れてしまうほどの迫力で、先行するピアスアロートマスをアタマ差で交わし、見事に優勝を手にしました。

順位と配当

このレースは予想外の結果で、人気薄のトクマサの勝利となりました。しかし、当時の単勝配当上限は200円であったため、トクマサの単勝払い戻し金も上限の200円となり、さらにハズレ券には9円50銭の特別配当が用意されました。

結果

このようにして、1936年第5回東京優駿大競走は伊藤正四郎騎乗のトクマサにより、大いに盛り上がりを見せました。競馬史に名を刻むこのレースは、今でも多くのファンに愛され続けています。

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