第57回グラミー賞

第57回グラミー賞：音楽の祭典と社会へのメッセージ

2015年2月8日、カリフォルニア州ロサンゼルスのステイプルズ・センターで、第57回グラミー賞授賞式が開催されました。司会は、2012年から引き続きLL・クール・Jが担当し、音楽界の一年を締めくくる華やかな夜を盛り上げました。

サム・スミスの躍進

この年のグラミー賞で最も注目を集めたのは、サム・スミスでした。主要4部門全てにノミネートされ、見事にレコード賞、楽曲賞、そして最優秀新人賞を受賞。さらに、ポップ・ボーカル・アルバム賞にも輝き、合計4つの栄冠を手にしました。彼の音楽は、その年の音楽シーンを席巻し、世界中のファンを魅了しました。

パフォーマンスと社会的なメッセージ

グラミー賞のステージは、音楽のパフォーマンスだけでなく、社会的なメッセージを発信する場としても機能しました。ファレル・ウィリアムスは、ラン・ラン、ハンス・ジマーとのコラボレーションで「Happy」を披露。その際、2014年8月に起きたマイケル・ブラウン射殺事件への抗議として、ファレルとダンサーが両手を挙げる「Hands Up Don't Shoot」のジェスチャーを行い、観客に強い印象を与えました。

ケイティ・ペリーのパフォーマンス前には、バラク・オバマ大統領のビデオメッセージが流れました。大統領は、女性への暴力と家庭内暴力の撲滅を強く訴え、過去に家庭内暴力を受けたブルック・アクステル氏も登壇し、自らの経験を語りました。音楽の力とメッセージが融合した瞬間でした。

また、メディアへの露出が少ないSiaは、そのパフォーマンスでも後ろ向きで歌い、その独特なスタイルを貫きました。

受賞作品とノミネート作品

以下に、主要な部門の受賞作品とノミネート作品をまとめました。

総合

最優秀レコード賞: "Stay with Me (Darkchild Version)" - サム・スミス
最優秀アルバム賞: 『モーニング・フェイズ』 – ベック
最優秀楽曲賞: "Stay with Me" (Darkchild Version) - サム・スミス
最優秀新人賞: サム・スミス

ポップ

最優秀ポップ・ソロ・パフォーマンス: "Happy" (Live) - ファレル・ウィリアムス
最優秀ポップ・デュオ／グループ・パフォーマンス: "Say Something" – ア・グレイト・ビッグ・ワールド＆クリスティーナ・アギレラ
最優秀ポップ・ボーカル・アルバム: 『イン・ザ・ロンリー・アワー』 – サム・スミス
最優秀トラディショナル・ポップ・ボーカル・アルバム: 『チーク・トゥ・チーク』 – トニー・ベネット＆レディー・ガガ

ダンス／エレクトロニック

最優秀ダンス録音: "Rather Be" – クリーン・バンディット featuring ジェス・グリン
最優秀ダンス／エレクトロニック・アルバム: 『サイロ』 – エイフェックス・ツイン

R&B

最優秀R&Bパフォーマンス: "Drunk in Love" – ビヨンセ featuring ジェイ・Z
最優秀R&Bソング: "Drunk in Love" – ビヨンセ featuring ジェイ・Z
最優秀アーバン・コンテンポラリー・ソング: "G I R L" – ファレル・ウィリアムス
最優秀R&Bアルバム: 『恋愛～結婚～離婚』- トニー・ブラクストン＆ベイビーフェイス

ラップ

最優秀ラップ・パフォーマンス: "i" – ケンドリック・ラマー
最優秀ラップ／サング・コラボレーション: "The Monster" – エミネム featuring リアーナ
最優秀ラップ・ソング: "i" - ケンドリック・ラマー
最優秀ラップ・アルバム: 『ザ・マーシャル・マザーズ・LP2』 - エミネム

ロック

最優秀ロック・パフォーマンス: "Lazaretto" – ジャック・ホワイト
最優秀ロック・ソング: "Ain't It Fun" - パラモア
最優秀ロック・アルバム: 『モーニング・フェイズ』 - ベック

カントリー

最優秀カントリー・ソロ・パフォーマンス: "Something in the Water" – キャリー・アンダーウッド
最優秀カントリー・デュオ・グループ・パフォーマンス: "ジェントル・オン・マイ・マインド" – ザ・バンド・ペリー
最優秀カントリー・ソング: "I'm Not Gonna Miss You" - グレン・キャンベル
* 最優秀カントリー・アルバム: 『Platinum』 – ミランダ・ランバート

まとめ

第57回グラミー賞は、サム・スミスの大躍進、社会的なメッセージを発信するパフォーマンス、そして多様なジャンルの音楽が評価された、記憶に残る授賞式となりました。音楽の力は、エンターテイメントを提供するだけでなく、社会に影響を与え、人々に感動を与えることができることを改めて示しました。

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