第58回プライムタイム・エミー賞

第58回プライムタイム・エミー賞の概要

2006年8月27日、ロサンゼルスのシュライン・オーディトリアムにて、第58回プライムタイム・エミー賞が開催されました。この年の授賞式は、テレビ中継をNBCが担当し、日本ではAXNが後日放送しました。コメディアンのコナン・オブライエンが司会を務め、開会式や番組内容にユーモアを織り交ぜました。

選考方法の変更

en:今回のエミー賞では、新しい選考方法が導入されました。従来は各会員が5つの候補を選び、その中から投票の上位5作品をノミネートしていましたが、今回からは各会員がそれぞれ10作品（番組部門）および15名（演技部門）を選出し、その上位から特別会員で構成されるブルー・リボン・パネラーが最終ノミネートを行う形に変更されました。

この新しい選考方式は、毎年候補に名を連ねる伝統的な作品だけでなく、新たな挑戦をする作品にとっても可能性を広げることが期待されていましたが、結果的にはThe WBやUPNのプログラムが選ばれず、一部の人気番組がノミネートから漏れるという結果となりました。

特に昨年度の受賞作品『LOST』や『デスパレートな妻たち』がノミネートされなかったことは大きな衝撃を与え、特に『LOST』については授賞式のオープニングセクションでもその内容が語られ、視聴者からは疑問の声が相次ぎました。

式典の内容

授賞式は1618万人が視聴し、その週の最も見られた番組となりましたが、全体としては過去最低の視聴率を記録したことが報告されています。これは、選考方法の変更によって人気番組が候補にならないことや主要キャストの出席がなかったためではないかと考えられています。

式典のオープニングでは、コナン・オブライエンが『LOST』の第1話や『The Office』、さらには『24 -TWENTY FOUR-』などの人気作品をパロディにしたコントを披露しました。しかし、コムエアー5191便の事故発生に関連して一部不謹慎との批判も受け、NBCが謝罪する事態となりました。

受賞結果とその後

受賞結果では、ミニシリーズ部門の『エリザベス1世』が最多の9部門を受賞し、続いて『24 -TWENTY FOUR-』が5部門を獲得しました。また、局別ではHBOが『エリザベス1世』で26部門を受賞し、NBCが『The Office』で14部門を受賞するなど、各局の競争が見られました。

主演男優賞と助演女優賞では、それぞれトニー・シャルーブ（コメディ部門）とブライス・ダナー（ドラマ部門）が連続受賞を果たし、特にシャルーブは通算3度目の受賞を達成しました。一方で、人気のある『グレイズ・アナトミー』は期待された結果を得られなかったことが報じられました。

最後に、今年亡くなったアーロン・スペリングに追悼の意が表され、彼が手掛けた名作ドラマのクリップが流される感動的なコーナーも設けられました。

このように、盛りだくさんの内容に富んだ第58回プライムタイム・エミー賞は、選考方法の刷新と人気作品の排除、視聴率の低下など、テレビ界における転換期を象徴する出来事となりました。

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