第58回NHK紅白歌合戦

第58回NHK紅白歌合戦の概要

2007年12月31日に開催された第58回NHK紅白歌合戦は、NHKホールからの生放送で、19時20分から23時45分までの時間帯に放送されました。国民的イベントであるこの歌合戦は、毎年12月31日に放送され、今年は「歌の力、歌の絆」をテーマに掲げました。今回の紅白は双方向対応型であり、従来の二部制は採用されていませんでした。

放送メディアとアクセス

国内向けには、NHKの総合テレビ、BS2、BShi、ラジオ第1で放送され、海外向けにはNHKワールド・プレミアムやNHKワールド・ラジオ日本が放送を担当しました。今回の放送では著作権の関係からNHKワールドTVでの放送はなされず、特にアジア圏への配信がなされました。また、従来のラジオでの全世界放送は2007年10月以降に中止され、テレビ放送が強化される形での変更が呈示されています。

放送準備

制作発表は10月10日に行われ、翌3年間共通のコンセプト「歌力（うたぢから）」を設定。その上で、今回のテーマ「歌の力、歌の絆」が発表されました。記者会見では「格調高い紅白」を目指すとの意気込みが示され、制作チーフプロデューサーの三溝敬志を中心とした制作チームが組織されました。また、紅白専用の特別枠が設けられ、小椋佳が選ばれました。新たにビジュアルアイコンやロゴも作成され、紅白の認知を深めました。

当日の演出

当日は「応援合戦」や「アトラクション」といった形式は取られず、出場者の生歌を際立たせる構成となりました。各歌手のディスプレイもシンプルになり、フリートークが多用されました。これによって、司会者たちの自然な会話が生まれ、観客の目を引きました。また、特別企画として故人への追悼が取り上げられ、作詞家の阿久悠やZARDの坂井泉水に捧げられるコーナーが設けられました。

特別な出場者と演出

注目すべきは、紅組に初出場の中村中や、Berryz工房、℃-uteなど若手アーティストが参加したことです。特に中村中は戸籍上の性を超えて歌い上げる姿は、大きな話題を呼びました。美川憲一は61歳でトップバッターを務め、最年長記録を更新しました。彼のパフォーマンスは多くの視聴者にインパクトを与えました。

合唱での一体感

審査結果発表の際には、出演者や観客が一緒になり「世界に一つだけの花」を大合唱し、会場の一体感が生まれました。結果は172,566対135,139で白組の勝利となりましたが、詳細な内訳や観客の反応が注目されました。このように、トータルなエンターテイメント性と視聴者の期待に応える内容が実現されました。

総括と視聴率

この年の紅白は多くの新たな試みに挑戦し、視聴者からの評価が分かれる内容となりました。視聴率は、関東地区第1部で32.8%、第2部で39.5%を記録しました。特に、白組としてSMAPが披露した「弾丸ファイター」や和田アキ子の「あの鐘を鳴らすのはあなた」が印象に残りました。全体として第58回NHK紅白歌合戦は、大きな一歩を踏み出した内容だったと言えるでしょう。

もう一度検索