第60回有馬記念

第60回有馬記念の振り返り

2015年12月27日、競馬のフィナーレを飾る第60回有馬記念が行われました。このレースでは、伏兵と見なされていたゴールドアクターが見事な走りを見せ、鞍上の吉田隼人騎手と調教師の中川公成にとって初の有馬記念制覇となりました。ゴールドアクターの勝利は、これまでのキャリアでGIレースの勝利がなかったため、予想を覆す衝撃的な出来事となりました。

出走馬の状況

レースに出走した馬の中で最も注目されたのはゴールドシップでした。彼はすでに引退を発表しており、さらにそのファン投票でもトップの票を獲得していました。過去に内田博幸騎手とのコンビで成功を収めており、同騎手との再タッグが期待されました。しかし、ゴールドシップの引退式がレース後に予定されていることもあって、ファンの間では特別な期待が寄せられました。

一方、ゴールドアクターの騎手である吉田隼人は、レースの約一ヶ月前に膝を骨折したものの、全治6週間の診断を受けながらも「有馬では絶対に乗る」と決意し、回復を果たしました。これにより、彼はこの重要なレースでの騎乗を果たすことになりました。

出走馬の中には、キタサンブラック、リアファル、ルージュバックという3頭がいて、特にキタサンブラックは主戦騎手が負傷し、横山典弘騎手へと乗り替わるなど、馬券における注目度が高まりました。また、同年ジャパンカップを制覇したショウナンパンドラも出走を予定していましたが、最終的には体調に配慮して回避しました。

ファン投票と枠順抽選会

事前に行われたファン投票では、1,475,755票の有効投票が集まりました。この投票は、ファンからの熱い支持を背にする出走馬を選出するためのもので、レースの盛り上がりを象徴するものでした。競走の3日前には公開枠順抽選会が行われ、著名な元騎手岡部幸雄による馬の抽選とともに、ゲストの野球選手・青木宣親が枠順を発表しました。

レース展開と結果

レースがスタートすると、1番手のキタサンブラックがスローペースで逃げ、その後ろにリアファルとゴールドアクターが続きました。ゴールドシップは後方に待機していましたが、3～4コーナーを回るあたりで急激に順位を上げ、一時は4番手まで上がります。しかし、その後失速。そんな中、3番手を維持していたゴールドアクターは、最後の100mで先頭に躍り出て、そのまま1着でゴールしました。

レースの後

この勝利はゴールドアクターにとっての優勝であり、吉田隼人騎手、中川公成調教師、さらには馬主である居城要にとっても初のGI制覇となりました。特に居城氏にとっては、この有馬記念が人生最後のGI勝利となり、彼はその約半年後に老衰により亡くなりました。また、レースの終了後にはゴールドシップの引退式が行われ、感慨深い瞬間となりました。

まとめ

この第60回有馬記念は、数々のドラマや人間模様を伴いながら、競馬ファンにとって忘れられない名レースの一つとなりました。特に、ゴールドアクターの勝利は多くの人々に感動を与え、その後の競馬界にも大きな影響を与えることになったのです。

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