第60回都市対抗野球大会

第60回都市対抗野球大会

第60回都市対抗野球大会は、1989年7月21日から7月31日まで東京ドームで開催された野球大会です。この大会は、都市対抗野球の歴史において重要な転換期となりました。

概要

今大会から、国際的な潮流に合わせて指名打者制度が導入されました。この制度導入により、都市対抗野球のスタイルが確立され、現在まで続いています。東京ドームへの移転後、減少傾向にあったホームランの増加が期待されましたが、全31試合でのホームラン数は56本と、前回大会から1本増にとどまりました。

出場チームは、初出場はなく、おなじみの顔ぶれが揃いました。ただし、仙台市の「日本たばこ」が「JT」に、神戸製鋼の本拠地が神戸市から加古川市に、いすゞ自動車の本拠地が川崎市から藤沢市に変更されるなど、細かな変更点が見られました。

大会結果

創部11年目の東京都・プリンスホテルが、この大会で初優勝を飾りました。金属バット使用のトーナメントでありながら、全5試合で被本塁打0という堅守を見せ、絶妙な継投で勝利を重ねました。決勝戦では、橋本投手が勝利投手となり、瀬戸山選手と西庄選手がホームランを放ちました。準優勝は白老町・大昭和製紙北海道、3位は堺市・新日鐵堺と門真市・松下電器でした。

表彰選手

橋戸賞: 瀬戸山満年捕手（プリンスホテル）
久慈賞: 渡部勝美投手（大昭和製紙北海道）
小野賞: 野茂英雄投手（新日鐵堺）
若獅子賞: 中本浩外野手・指名打者（松下電器）
特別賞: 佐藤和弘左翼手（熊谷組）※大会史上2人目のサイクルヒット達成

特に、新日鐵堺の野茂英雄投手は、25イニングで39三振を奪う圧巻の投球を披露し、プロのスカウトから注目を集めました。

10年連続出場表彰選手

福本勝幸外野手（東芝）
梁原修志外野手（東芝）
若槻弘之外野手（川崎製鉄千葉（新日鉄君津））
内田敏弘捕手（大阪ガス（日本生命））
高橋修二投手（大阪ガス（住友金属））
田中祐二内野手（大阪ガス（住友金属））
滝下茂信投手（四国銀行（NTT四国））

応援団コンクール

最優秀賞: プリンスホテル
優秀賞: 松下電器
敢闘賞: 大昭和製紙北海道
特別賞: 熊谷組

まとめ

第60回都市対抗野球大会は、指名打者制度の導入やプリンスホテルの初優勝など、新たな歴史が刻まれた大会となりました。また、野茂英雄投手やサイクル安打を達成した佐藤和弘選手など、記憶に残る選手たちの活躍もありました。

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