第63回皐月賞

第63回皐月賞の振り返り

2003年4月20日に施行された第63回皐月賞は、競馬ファンにとって記憶に残るレースとなりました。この年の皐月賞は、多くの実績馬が顔を揃え、非常に注目されていました。

レース施行時の状況

有力候補として名を馳せていたのは、きさらぎ賞とスプリングステークスの両方を制したネオユニヴァースでした。彼に対抗する形で期待されていたのが、札幌2歳ステークスを勝利し、その後スプリングステークスで2着に入ったサクラプレジデントでした。また、前年の2歳王者であり弥生賞を制したエイシンチャンプ、良血のサイレントディール、そしてラジオたんぱ杯2歳ステークスの覇者であるザッツザプレンティも名を連ねていました。

特筆すべきは、レースへの出走を予定していた有力馬が故障やその他の理由で離脱することがなかったことです。実績のある馬たちが無事にこの重要なレースまで進んできたことは、競馬界にとっても喜ばしいニュースでした。

トライアルの結果

皐月賞の前に行われたトライアルレースとしては、弥生賞や若葉ステークス、スプリングステークスがありましたが、アドマイヤグルーヴは牝馬ということで桜花賞に向かいました。

レース展開

レースの日、チキリテイオーとエースインザレースが前方でペースを引っ張り、ザッツザプレンティも気勢を上げて加わります。しかし、比較的穏やかなペースで進行していました。4コーナーを回ったところで、サクラプレジデントが抜け出し、一時はそのまま勝利を収めるかに見えましたが、内側から伸びてきたネオユニヴァースがアタマ差で優勝を手にしました。この接戦では、3着にエイシンチャンプが入り、人気馬同士による順当な決着となりました。

レースの記録

優勝したネオユニヴァースは、これで6戦中3勝目を挙げました。父はサンデーサイレンス、母はポインテッドパスで、母方の祖父はクリスです。この後、彼は日本ダービーを制冠し、秋の菊花賞では3着に入り、これにより史上14頭目の二冠馬となりました。ネオユニヴァースは、通算13戦で7勝の成績を残し、調教師の瀬戸口勉と騎手のミルコ・デムーロにとっても特別な勝利となりました。

ミルコ・デムーロは、日本のクラシック競走では初の勝利を果たし、前年に皐月賞を制した外国人騎手ブレット・ドイルに続いて、2年連続で外国人騎手による皐月賞制覇が達成されました。

その後の馬たち

2着のサクラプレジデント、3着のエイシンチャンプ、そして4着のラントゥザフリーズなど、他の出走馬のレース後の動向も注目されました。特に8着のザッツザプレンティは、その後秋の菊花賞を制覇します。また、13着のブルーコンコルドはダート路線に移行し、以降マイルチャンピオンシップ南部杯で3連覇を達成し、東京大賞典を含む7勝のダートG1を獲得しました。

レースのエピソード

このレースでは、ゴール直後にネオユニヴァースとサクラプレジデントがほぼ並んでフィニッシュしましたが、僅かにネオユニヴァースが先着しました。その瞬間、デムーロはサクラプレジデントを騎乗していた田中勝春騎手の頭を軽く叩いて健闘を称え、彼の喜びを表現しました。このように、ライバル同士でありながらも、互いをリスペクトする姿が印象的でした。

この皐月賞は、傑出した馬たちの競演や、多くのドラマが詰まった名レースとして語り継がれています。

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