第63師団 (日本軍)

第63師団

第63師団は、大日本帝国陸軍の師団の一つで、1943年（昭和18年）5月に編成されました。この師団は、独立混成第15旅団と独立混成第6旅団の一部を基幹とし、日本本土からの部隊を加えて華北で編成された治安師団です。

編成と初期の活動

編成後、第63師団は北支那方面軍に属し、北京から保定方面の警備を担当しました。この時期の主な任務は、占領地の治安維持と、抗日勢力の鎮圧でした。部隊は、現地の状況に合わせて柔軟に対応し、警備活動を展開しました。

大陸打通作戦への参加

1944年（昭和19年）5月、第63師団は大陸打通作戦における京漢作戦に参加しました。この作戦は、日本軍が中国大陸における交通路を確保し、連合国軍の補給路を遮断することを目的としたものでした。第63師団は、この作戦において重要な役割を果たし、各地で激戦を繰り広げました。

満州への転用と終戦

1945年（昭和20年）6月、戦局の悪化に伴い、第63師団は満州に転用され、第44軍に属して通遼に駐屯しました。この時期、ソ連軍の侵攻が迫り、師団は防衛体制を強化しました。1945年8月、ソ連軍の進攻が開始されると、第63師団は奉天に退却し、奉天東方の防御に当たることになりました。その中で終戦を迎え、その後の混乱の中で解隊しました。

師団の概要

歴代の師団長は以下の通りです。

野副昌徳 中将：1943年（昭和18年）6月10日 - 1945年3月9日
岸川健一 中将：1945年（昭和20年）3月9日 - 終戦

参謀長は以下の通りです。

佐藤貞二 中佐：1943年（昭和18年）6月10日 - 1945年7月26日
永井浩一 大佐：1945年（昭和20年）7月26日 - 終戦

最終司令部構成は以下の通りです。

参謀長：永井浩一大佐
参謀：大原晴海中佐
高級副官：林吾夫少佐
経理部長：中台一主計大佐
軍医部長：大河内三郎軍医中佐

最終所属部隊は以下の通りです。

歩兵第66旅団：下枝龍男少将
独立歩兵第77大隊：石野武少佐
独立歩兵第78大隊：小田二郎少佐
独立歩兵第79大隊：矢萩留次郎少佐
独立歩兵第137大隊：有馬敏雄大佐
歩兵第67旅団：橋場帝次大佐
独立歩兵第24大隊：上條保廣大佐
独立歩兵第25大隊：福永勇吉大佐
独立歩兵第80大隊：山川吉春少佐
独立歩兵第81大隊：河野亨大尉
第63師団迫撃砲隊
第63師団通信隊：小島梅太郎大尉
第63師団工兵隊：西沢彦義大尉
第63師団輜重隊：岩谷常男大尉
第63師団野戦病院：大久保一郎少佐
第63師団病馬廠：東口力小大尉

参考文献

秦郁彦編『日本陸海軍総合事典』第2版、東京大学出版会、2005年。
外山操・森松俊夫編著『帝国陸軍編制総覧』芙蓉書房出版、1987年。
外山操編『陸海軍将官人事総覧 陸軍篇』芙蓉書房出版、1981年。
『別冊歴史読本 戦記シリーズNo.32 太平洋戦争師団戦史』、新人物往来社、1996年。

関連項目

大日本帝国陸軍師団一覧

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