第7機動戦団

大韓民国海軍第7機動戦団：韓国海軍の海洋防衛を担う精鋭部隊

2010年2月1日、大韓民国海軍は、その歴史において初めてとなる機動部隊、第7機動戦団を編成しました。これは、単なる艦艇の集まりではなく、水上艦艇、潜水艦、航空機、そして補給艦から構成される、総合的な海洋戦力です。

任務と役割：

第7機動戦団の主な任務は、韓国沿岸部の防衛に加え、済州島南端からマラッカ海峡までの重要な海上輸送路の保護です。この広大な海域における安全確保は、韓国の経済活動や国家安全保障にとって極めて重要です。そのため、第7機動戦団は、平時においても高度な警戒態勢を維持し、あらゆる事態に対応できるよう備えています。また、ソマリア沖の海賊対策など、国際的な平和維持活動にも積極的に参加しています。

部隊構成と装備：

第7機動戦団は、複数の戦隊で構成されています。その戦力は、イージス駆逐艦、4,500トン級以上の駆逐艦、潜水艦、補給艦、そして哨戒機やヘリコプターなどの航空機から成り、最新の技術と装備を誇ります。特に、イージス艦は、弾道ミサイル防衛能力を含む高度な対空・対水上戦闘能力を備えています。2019年からは、5,600トン級の新型駆逐艦も配備され、その戦闘力はさらに強化されています。

具体的には、以下の戦隊が編成されています。

第71戦隊（釜山作戦基地、旗艦「世宗大王」）：釜山を拠点に、広範な海域を担当
第72戦隊（鎮海作戦基地、旗艦「栗谷李珥」）：鎮海を拠点に、沿岸防衛などを担当
* 第73戦隊（済州作戦基地、旗艦「西厓柳成龍」）：2014年の済州基地完成に伴い編成予定で、済州島周辺の防衛を担う

各戦隊は、それぞれの任務と責任を果たすため、連携して活動しています。

基地と母港：

当初は、釜山と鎮海の2つの基地を拠点としていましたが、2014年の済州基地完成により、3基地体制に移行する計画でした。この3基地体制は、作戦の柔軟性と効率性を高め、より効果的な海洋防衛を実現するための重要な要素です。

歴史と発展：

第7機動戦団は、2010年2月1日に海軍作戦司令部隷下として発足しました。初代司令官であるイ・ボンリム海軍准将は、その後、ソマリア沖の海賊対策任務にも携わっており、第7機動戦団の経験と能力が、国際的な舞台でも高く評価されていることを示しています。

将来展望：

第7機動戦団は、今後も新たな装備の導入や人員の訓練を通じて、その戦闘力と対応能力を強化していくことが予想されます。さらに、国際的な協力関係を構築し、地域の安全と安定に貢献していくことが期待されます。韓国海軍における中核的な戦力として、その役割はますます重要性を増していくでしょう。

もう一度検索