第71回優駿牝馬

第71回優駿牝馬の概要

第71回優駿牝馬は、2010年5月23日に東京競馬場で開催され、日本中央競馬会（JRA）が主催するGI競走として注目を浴びました。このレースでは、JRAの歴史の中で初めて1着同着が記録され、その結果が多くの競馬ファンを驚かせました。

レース前の状況

この年の桜花賞で優勝したアパパネが1番人気に支持されましたが、母馬ソルティビッドが短距離馬であることから、2400メートルの距離への不安が広がり、支持率は桜花賞の時よりもやや低下しました。2番人気には桜花賞トライアルのチューリップ賞を制したショウリュウムーンが挙げられ、前日のオッズではアパパネを上回る1番人気となっていました。一方、フローラステークスを勝ったサンテミリオンは5番人気となり、出走馬としての力を示したいました。

出走馬とレースの状況

レースが行われた当日は、雨が降り、芝はやや重い状態でした。距離は2400メートルで、たくさんの観客が集まりました。スタート後、ニーマルオトメが先頭を取り、アグネスワルツがこれに続きました。3番手にはショウリュウムーンが控え、アパパネはやや後方の13番手に位置していました。

直線に入り、アグネスワルツが先頭に立つと、内側からアプリコットフィズが追い上げ、一方で外からサンテミリオンが迫りました。最終的に、アパパネが一度は先頭に立ちましたが、サンテミリオンが再度追いつき、両者はほぼ並んでゴールしました。ショウリュウムーンは残念ながら17着に沈み、他の有力馬も苦戦を強いられました。

レース後の決着

入線直後、アパパネとサンテミリオンの騎手である蛯名正義と横山典弘は、共にウイニングランを行わずに検量室へ向かいました。非常に接近した決着であったため、結果は写真判定に寄ることになりました。直線での進路についての審議もありましたが、失格馬は発生せず、約12分後に1着同着の結果が発表されました。

達成された記録

アパパネとサンテミリオンが優勝したことで、桜花賞と優駿牝馬の2冠を達成しました。これはブエナビスタに続く2年連続の快挙です。また、メジロラモーヌ以来24年ぶりとなる美浦トレーニングセンター所属の牝馬によるクラシック2冠も実現しました。
さらに、今回の優勝はフローラステークスの勝ち馬が優勝した23年ぶりのケースでもあり、横山典弘騎手は父である横山富雄と同じく本競走を制したことで、史上初の親子制覇を成し遂げました。

その後の競走

両名の騎手は、勝利のインタビューで同時に登場しましたが、表彰式はそれぞれの関係者に分かれて行われました。1992年には地方競馬で同じく1着同着の事例があり、その際も両騎手が同じだったため、今回の出来事は特に興味深いものでした。

競走後、アパパネとサンテミリオンは、その秋の3歳牝馬三冠となる秋華賞で再戦を果たしました。このレースではアパパネが見事に勝利し、牝馬三冠を達成した一方、サンテミリオンは残念ながら後方に終始し、18着に終わりました。これにより、両馬の結果は鮮明な対照をなす形となりました。

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