第73回安田記念

第73回安田記念は、2023年6月4日、東京競馬場にて開催されました。今年のレースは、数々のG1競走勝ち馬が出走するという、非常に豪華な顔ぶれが揃いました。

最大の注目は、前年の覇者ソングラインです。ヴィクトリアマイルを制し、連覇に挑む彼女に、多くの期待が集まりました。ライバルとして、マイラーズカップを制したシュネルマイスター、京王杯スプリングカップを制したレッドモンレーヴ、大阪杯勝ち馬で初のマイル挑戦となるジャックドールなどが名を連ねました。3歳勢からは、NHKマイルカップの勝者シャンパンカラーと、前年の朝日杯フューチュリティステークスの勝ち馬ドルチェモアが出走。世代の垣根を越えた、白熱した戦いが予想されました。

レースは、好スタートから各馬が自分のペースを刻んでいきます。中盤にかけては、前年の覇者ソングラインが先頭に立ち、抜群の安定感をみせつけました。最後の直線では、各馬がスパートをかけ、熾烈な順位争いが繰り広げられました。

そして、優勝したのはソングライン。戸崎圭太騎手の巧みな騎乗術と、ソングラインの抜群の安定感が見事に噛み合い、見事な勝利を収めました。戸崎騎手は、2011年のリアルインパクト以来、2度目の安田記念制覇となりました。林徹調教師にとっても、2年連続の優勝です。さらに、この勝利で林調教師はJRA通算100勝という大きな節目を達成しました。

ソングラインの快挙はそれだけではありません。彼女は、1952年と1953年のスウヰイスー、1992年と1993年のヤマニンゼファー、2008年と2009年のウオッカに続く、史上4頭目の安田記念連覇を達成しました。また、ヴィクトリアマイルと安田記念の連勝は、2009年のウオッカ以来2頭目という偉業です。

一方、3歳馬のシャンパンカラーは、直線で外側に斜行し、イルーシヴパンサーとナミュールの走行を妨害したため、騎乗していた内田博幸騎手に過怠金1万円が科せられました。

レースの結果は、ソングラインの圧勝という形で幕を閉じました。しかし、その裏には、各馬の努力とドラマが詰まった、記憶に残るレースとなりました。多くのファンを魅了し、競馬界に新たな歴史を刻んだ第73回安田記念は、今後の競馬界に大きな影響を与えることでしょう。

なお、本レースの実況は、ラジオNIKKEIで米田元気氏、フジテレビで谷岡慎一氏が担当しました。解説には、松本ヒロシ氏（競馬エイト）が参加し、パドック実況は上中勇樹氏が務めました。

今回の安田記念は、ソングラインの圧勝という結果に終わったものの、それぞれの馬の個性や、騎手の技量、そしてチームワークの素晴らしさなど、見どころの多いレースとなりました。多くの競馬ファンにとって、忘れられないレースの一つとなるでしょう。

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