第76回ニューヨーク映画批評家協会賞

第76回ニューヨーク映画批評家協会賞 受賞結果

アメリカ合衆国の主要な映画批評家団体の一つであるニューヨーク映画批評家協会が選出する、その年の優れた映画作品に対する表彰式典「ニューヨーク映画批評家協会賞」。第76回となるこの授賞式では、2010年に公開された作品群が対象となりました。2010年12月13日にその受賞結果が公にされ、各部門で栄誉ある賞が発表されました。

栄えある作品賞に選ばれたのは、デヴィッド・フィンチャー監督による映画『ソーシャル・ネットワーク』です。この作品は、現代社会に大きな影響を与えたSNSの黎明期を描いたもので、多くの批評家から高い評価を受けていました。フィンチャー監督自身も、その卓越した手腕が認められ、監督賞を受賞しました。これにより、『ソーシャル・ネットワーク』は主要な2部門を制する結果となりました。

俳優部門では、主演男優賞にコリン・ファースが選ばれました。受賞対象となったのは、吃音に悩む英国王ジョージ6世を演じた『英国王のスピーチ』です。この演技は、彼のキャリアの中でも特に高い評価を受けました。一方、主演女優賞はアネット・ベニングが受賞しました。彼女が称えられたのは、レズビアンのカップルとその子供たちを描いた『キッズ・オールライト』での演技です。『キッズ・オールライト』は俳優部門で複数の賞を獲得しており、助演男優賞には同作に出演したマーク・ラファロが選出されています。また、脚本賞も同作のリサ・チョロデンコとスチュアート・ブルムバーグが受賞しており、作品全体の質の高さが評価された形です。

その他の部門における主な受賞結果は以下の通りです。

アニメ映画賞: 『イリュージョニスト』
手書きアニメーションの美しい映像が特徴的なフランスの作品が受賞しました。
撮影賞: マシュー・リバティーク - 『ブラック・スワン』
バレエダンサーの心理を描いたサスペンス作品における、緊迫感あふれる映像が高く評価されました。
ドキュメンタリー映画賞: 『インサイド・ジョブ 世界不況の知られざる真実』
2008年の世界金融危機の内幕に迫ったドキュメンタリー作品です。
第一回作品賞: 『アニマル・キングダム』
デヴィッド・ミショッド監督によるオーストラリアのクライムドラマが、新人監督の優れた作品として評価されました。
外国語映画賞: 『コードネーム: カルロス 戦慄のテロリスト』（ フランス/ ドイツ）
実在のテロリストの半生を描いた大作映画が選ばれました。
助演女優賞: メリッサ・レオ - 『ザ・ファイター』
ボクサーとその家族を描いた人間ドラマにおける演技が受賞対象となりました。

これらの受賞結果は、その後のアカデミー賞をはじめとする他の映画賞レースにも影響を与えるものとして注目されました。特に『ソーシャル・ネットワーク』や『英国王のスピーチ』、『キッズ・オールライト』といった作品は、この年の映画界を代表する存在となりました。

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