第76親衛空挺師団 (ロシア空挺軍)

第76親衛空挺師団の概要

第76親衛空挺師団（76-я гвардейская воздушно-десантная дивизия）は、ロシア空挺軍に所属する重要な師団であり、その本部はプスコフ州プスコフに位置しています。この部隊は「赤旗勲章」と名誉称号「チェルニゴフ」を有し、契約制の志願兵から成るモデル部隊として知られています。公式サイトも運営され、部隊の活動や歴史についての情報を発信しています。

歴史的背景

第76親衛空挺師団の始まりは1939年に遡ります。当初、これは第74狙撃師団の一部から派生した部隊であり、1941年の独ソ戦ではオデッサの防衛で重要な役割を果たしました。戦争のさまざまな局面でドイツ軍との戦闘に従事し、特にスターリングラードやチェルニゴフの解放に貢献しました。

1945年にはドイツ本土での戦闘に参加し、終戦後は空挺師団に改編され、長年にわたり様々な国際的な活動に従事しました。アフガニスタン戦争や第一次チェチェン紛争への参加を経て、1995年には独立空挺旅団の編成が行われ、旧ユーゴスラビアでの平和維持活動も行われました。

最新の活動

2022年のウクライナ侵攻では、第76親衛空挺師団も作戦に参加し、北部キーウ州での攻撃に従事しましたが、反撃に遭い、その後南部のヘルソン州に移動しました。2023年にはドネツィク州やザポリージャ州などでの戦闘にも関与し、戦線の維持や攻撃作戦に参加しています。

戦争犯罪の疑い

この部隊は、ブチャでの民間人の処刑に関与した疑いがあり、アメリカは経済制裁を科しました。特に2022年3月には、ウクライナ人男性8人が処刑された事件が報告され、ジャーナリストの調査によってこの処理に関与していた兵士たちが特定されました。処刑に関しては防犯カメラの映像や目撃者の証言が寄せられています。

また、部隊は「浄化」と称する作戦で民間人への攻撃や拷問を行ったとされ、このことが国際的な非難を受けています。

組織構成

第76親衛空挺師団は、司令部を中心に様々な部隊から成り立っています。これには、整備大隊、戦車大隊、偵察大隊、工兵大隊、通信大隊、兵站大隊、空中機動医療部隊などが含まれます。部隊は演習場としてプスコフ州に広大な面積を有し、戦闘訓練が行われています。

まとめ

第76親衛空挺師団は、その歴史的背景と現在の活動を通して、ロシア軍における重要な役割を果たしており、国内外の多くの戦闘に参加してきました。しかし、その活動には国際的な懸念がついて回り、戦争犯罪の疑いは多くの問題を提起しています。

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