第78回菊花賞

第78回菊花賞の概要

2017年10月22日、京都競馬場で開催された第78回菊花賞において、夏の上がり馬キセキが優勝を果たしました。この試合は、数多くの強豪が不在の中で行われたもので、非常に注目されていました。特に日本ダービーの上位入賞馬が揃って出走していなかったため、混戦が予想されていたのです。

レース施行時の状況

この年の菊花賞では、唯一のGI勝ち馬である皐月賞馬アルアインも前のトライアルレースであるセントライト記念でミッキースワローに敗北し、2着に留まりました。このため、人気が高かったのは前走神戸新聞杯でダービー馬レイデオロに2着だったキセキであり、彼は「夏の上がり馬」として注目を集めていました。続く人気馬リストにはアルアイン、ミッキースワロー、ダンビュライトが並んでおり、競馬ファンの期待を一身に背負っての出走となりました。

しかし、当日は台風接近に伴い天候が悪化し、馬場状態も不良ボードにまで落ち込んだのがレースに影響を与えます。実際に、前レースである2歳未勝利戦では、勝ちタイムが1分40秒6という異常な遅さを記録し、この後のレースにも悪影響を及ぼしました。

出走馬と枠順

以下は出走馬の情報です:

• - 発走時刻: 15時40分
• - 天気: 雨
• - 馬場状態: 不良

レース展開

スタート直後に立ち上がってしまったプラチナヴォイスが最後尾に回る一方、好スタートを切ったウインガナドルがリードを取ります。しかし、その後外から進出してきたマイスタイルが先頭に立ちました。不良馬場のため、馬群は水しぶきを上げながら馬場の真ん中へと寄っていきました。

レース前半の1000m地点は64秒1で通過しますが、スタミナ切れのためマイスタイルは徐々に後退し、最終コーナーへ進む中でウインガナドルが先頭を奪い返します。その後、後方集団も次第に動き始めるも、力尽きてしまう馬も見受けられました。

最終コーナーを迎え、ダンビュライトが先頭に立つも外からの追い上げを見せたキセキが直線に入った瞬間、他の馬を抜き去りゴールを目指します。泥まみれになりながらも、キセキはそのままゴールイン、勝ちタイムは3分18秒9でした。このタイムは過去77回の後のレースで最も遅いタイムの一つであり、特に平成時代において顕著に遅いものでした。

騎手とエピソード

騎乗したミルコ・デムーロ騎手は、外国人騎手では初めて牡馬クラシック三冠を制覇するという偉業を成し遂げました。また、馬名が3文字の馬が菊花賞を勝ったのはこれが初めてのことです。タイムの遅さや特異な条件下での競技が、このレースの歴史に新たな記録を刻みました。競馬史に残る記念すべきレースであり、今後も語り継がれることでしょう。

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