第86師団 (日本軍)

第86師団

第86師団は、1944年（昭和19年）4月4日に、留守第56師団を基幹として久留米で編成された大日本帝国陸軍の師団です。

編成と経緯

当初、第86師団は西部軍の指揮下に置かれていましたが、1945年（昭和20年）4月8日には新設された第57軍に編入されました。鹿児島に配置され、志布志湾沿岸の守備を担い、敵が上陸してきた際に反撃を行う機動打撃師団としての役割を担っていました。本土決戦に備える中で終戦を迎えることになりました。

師団の概要

第86師団は、主に九州地方での防衛を目的として編成されました。沿岸部での防衛を主な任務としつつ、必要に応じて機動的な反撃を行うことが想定されていました。しかし、実際に敵と交戦することなく終戦を迎えたため、その実戦能力が試されることはありませんでした。

歴代師団長

伊佐一男中将：1944年（昭和19年）4月6日 - 1945年（昭和20年）5月3日
芳仲和太郎中将：1945年（昭和20年）5月3日 - 終戦

参謀長

奥山巍大佐：1944年（昭和19年）7月8日 - 終戦

所属部隊

第86師団には、以下の部隊が所属していました。

歩兵第187連隊（福岡）：連隊長可西清二大佐
歩兵第188連隊（大村）：連隊長石井元良大佐
歩兵第189連隊（久留米）：連隊長山方知光大佐
野砲兵第86連隊：連隊長佐川武彦中佐
工兵第86連隊：連隊長有利正少佐
輜重兵第86連隊：連隊長瀬川孫兵衛大佐
第86師団速射砲隊
第86師団通信隊
第86師団制毒隊
第86師団兵器勤務隊
第86師団衛生隊
第86師団第1野戦病院
第86師団第2野戦病院
第86師団病馬廠

脚注

特筆事項なし

参考文献

外山操・森松俊夫編著『帝国陸軍編制総覧』芙蓉書房出版、1987年。
秦郁彦編『日本陸海軍総合事典』第2版、東京大学出版会、2005年。
福川秀樹『日本陸軍将官辞典』芙蓉書房出版、2001年。
外山操編『陸海軍将官人事総覧陸軍篇』芙蓉書房出版、1981年。